研究会報告


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5. ILLManagerの紹介

[木下]慶應大学の木下と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

私からはILL Managerという、今日の研究会の基本的なZ39.50という趣旨からしますと何だろうと思われるかもしれませんがそれについて簡単ですが説明させていただきたいと思います。

このILL Managerなんですが、Z39.50がそもそも世界的に書誌をお互い流通させようというような趣旨で始まっていて、この研究会もZに限らずそういうものを見ていかなければならないという話があったかと思うのですが、それのILL版と簡単に言うことができるのではないかと思います。ILL ManagerというのははRLG、アメリカのResearch Library Groupが作っているソフトウェアでありまして、一つのソフトウェアではあるのですがISOのILLプロトコルをうまく使ってやっていこうとしているソフトウェアだということができます。このILL Managerが何をしようとしているかということなんですが、RLGのWebのページにいろいろ書いてあるんですけれども、とにかく今まではILLをするに際しては書誌データベースを検索したら、そこにつながっているILLシステムを用いてILLのやりとりをしなければならなかったようです。日本の場合ですと、どこの図書館もNIIさんのILLシステムを使っていますので、結果的に単一のシステムでILLをやっていると、国内で一つのシステムでILLができているという形になっているのですが、おそらくアメリカの場合ですといろいろなILLシステムがあちこちにあって、ILLをする度にいろいろなシステムを切り替えなければならないというような事情があるような気が私にはいたします。これ一つだけならいいんですが、いくつもあるとなると、ILLの依頼先毎にシステムを切り替えなければならなくて非常に面倒くさいと、それがISOのILLプロトコルをうまく使うことによって書誌データベースを検索するにしても、その結果からお互いにILLの情報はILLシステムというものを通さずにお互いで自由にやっていきましょうということになります。そうすると真ん中にある輪っかの皮の所がILL Managerというソフトウェアを使うことによって、一つのソフトウェアを使うことでいろんな書誌データベース、いろんな図書館とのILLのやりとりができるようになるということで、それを、どうも目指しているということのようです。

このILL Managerの特徴なんですが、お配りした資料にいろいろ書いたのですが、要するにこの3つだろうという風に考えています。一つは先ほどから申し上げていますとおり、ILLプロトコルへの対応ということで、ISO、それからIPIGのプロファイルに対応しているということ、それから既存のILLシステム、RLINであるとかOCLCであるとか、そういったものの総合運用もできるということがあげられます。二つ目が書誌データベースを使いますのでそれにZ39.50も使えますよと。それから三点目。Arielと言ってますけれども画像の伝送システムでILLの依頼をした後に、普通は依頼をうけるとコピーをとって郵送で送るんですが、これをネットワークでやってしまおうというシステム、システムというかArielというのは実際はソフトウェアの名前だと思うんですけれども、そういうシステムと考えてしまっても差し支えないと思います。実際には三番目のArielというのはILLのデータがやりとりしてきたら、スキャナーで記事を全部取り込んで、その画像データを送るところまでサポートしたものと言うことができます。

簡単にどんなソフトウェアの条件で動くかというのがありまして、二通りありまして、一つはスタンドアロンで使う、単館で使うというような使用方法と、それからサーバレベルで使うという二つの方法があるようです。ここに書いてあるとおり、普通のパソコンで動くという感じです。ネットワークで使用の方法になりますと、サーバは普通のPentium400以上、WindowsNTのワークステーションまたはサーバであれば動くというような感じで、こちらのネットワークでの使用になりますと、クライアント側はブラウザが動けばいいという感じでWindows95、98などでもいいという風になっているところが若干違うかなという感じです。説明だけでは仕方がないので、

実際どんな画面かということで、これはRLGのWebのサイトから取ってきたんですけれども、こんなような感じになっています。上の方にあるRequesterと書いてある部分、Supplierと書いてある部分が、実際ILLで申し込みデータと受付データという感じになるんですが、その下のRLG、OCLCと書いてある部分がZ39.50のカタログの検索先と、ターゲットということができます。最初はこの下の方で書誌を検索すると、この例ではRLINのデータベースを検索して、検索できますとそのうちのどれに対してILLのリクエストをするかということで、検索をして、最後に確認を押しますと、それを実際こちらの方でデータを取り込んでILLの申し込み費用のデータの入力画面がでてくるという感じになります。あまりここで細かい説明をしても仕方がないのですけれど、実際に依頼する人の名前であるとか、電子メールのアドレスとか、いくら以内なら申し込みたいというようなことも入力できるようになっているようです。こちらの方が実際の論文データがこのように取り込まれていて請求記号であるとか、LCのCall Numberであるとか、そういうようなものも取り込まれているという形になっています。こういう風にいろいろなデータを入れた後で実際にオーダーすると、上の方で実際の依頼状況のデータが取り込まれるという風になっています。この辺りの基本的な流れ自体は、今、国内でもNIIのILLを使っていると普通の流れではあるんですけれども、裏の方でプロトコルが動いているというのが特徴なのかなという感じがします。

今回私がこの説明をせぃと入江さんに言われたんですけれども、こういうソフトウェアを国際化して、せっかくこういうものがあるんだったら日本語化して日本でも使ったらいいんじゃないかというような考えがありまして、一体どういう風にしたら日本で使えるのかなという問題提起だけ今日はしておこうということです。先ほど特徴であげましたとおりZ39.50を使ってますので、日本で使うためにはこれで日本語のハンドリングができなければ仕方ないと、それから当然そのためにはMARCフォーマットも絡んでくると、もう一つはこちらの場合ILLプロトコル、Arielなども使えますのでその辺りも当然日本語化、日本語対応をしていかなければいけないだろうということがあげられるだろうと思います。

先ほどの申し込み画面なんですが、当然アメリカで作られているソフトウェアですから、申込者とかという情報も当然英語しか入ってこないんですけれど、こういう辺りメモであるとか、当然そういったものも日本語が通るようにしなければならないでしょうし、論文の情報なども当然絡んでくるだろうと。その辺りを英文で持つのか、英語と漢字と例えばローマ字とみんな持たせるのかといったようなことは、ISOのプロトコルの方でもう決まってますけれども、その辺りをどういう風に考えていくのかということは、まだ私もそこまで細かくは見てないんですけれども、見てちょっと考えると面白いんじゃないかと思っています。

非常に駆け足で、大変簡単な説明ではありましたが以上でILL Managerの説明を終わらせていただきます。私もこれに関しては勉強を始めたばかりで、これくらいのことしか説明できなくて申し訳ないんですが以上で終わりにさせていただきます。

[入江]佐藤さんの話と木下さんの話で、集中も必要ですけれども分散したシステムも現状では必要になってくるだろうと思っていて、分散するためにはデータベースもプロトコルも標準化しなければならないでしょう。そのためには業務的な仕様を合わせなければならないだろうと思ってます。図書館のシステムも業務も標準化していきながら、集中もしながら分散もしていくという流れの中で考えなくてはいけないと思っています。

6. メタデータについて

[杉田]みなさん初めまして。昨年まではNIIは米沢係長がこちらにお邪魔していたんですが、米沢さんは東北大学へうつりまして、今年からお邪魔させていただくことになりました杉田です。

今日は第2回の研究会で米沢さんが発表したかと思うのですが、その内容と多くの部分重なると思うのですが、NIIで予定していますメタデータデータベース共同構築事業、これについて今の進み具合を報告させていただきたいと思います。

背景なんですが、これは国立大学の話題に偏るところもあるかと思うのですが、国立大学図書館協議会、科学技術・学術審議会といった会議の場で、メタデータ、特にネットワーク上の情報資源に関するメタデータの記述の標準化の必要性ですとか、こういったものを図書館を中心に協力し合って収集していこうという、こういった動きがあります。下の方ですが、昨年米沢さんがこちらでお話したときには、どちらかというと上の方、ネットワーク上の情報源を集めてサービスに役立てようというところがメインだったかと思うのですが、下のデジタル研究情報基盤ワーキング、この答申といいますか審議のまとめというところにも出ています、大学からの学術情報の発信、大学の情報を出していこうという側面がかなり大きい部分を占めるようにもなってきました。これに対してNIIなんですが、ネットワーク上の資源ということで言いますと、数年前から電子ジャーナルの目録をNACSIS-CAT上にとれるようにしようということが行われていまして、それが一段落したところで、昨年度、今度は今度は電子ジャーナル以外のWebコンテンツを中心としたネットワーク上の情報資源をどう扱っていこうかという会議が持たれました。ネットワーク上の情報資源の取り扱いに関する検討会議というのを昨年の前半分で行われまして、その検討結果がNACSIS-CAT-ILLニュースレターで公開しております、取扱案というものになっております。こちらはNIIのホームページでも現在見れるようになってますのでご参照ください。この取扱案をうけまして、データベース化を実際おこなう上での検討するワーキンググループが発足しまして、どういったものをデータベースのデータ作成の対象にしようか、またどういう形のデータにしようか、その器となるデータベースと入力システムこれらについて検討を始めまして、これが今年度も引き続いております。

実際、事業のあらましということで、ネットワーク取扱案に書いてあることですけれども、この5つ特徴と言いますか、現在、考えられているところをまとめてみました。一つにはNACSIS-CATと同じように大学図書館等によって共同分担で大きなデータベースを作っていこうというのが一つ、次に学内情報資源と学外情報資源とありますが、最初にちょっと申しました大学情報の発信ということで、まずは学内情報資源、自分の大学にはこんなコンテンツがありますよというのを入力していただいて、それを基本として、別途、余力があれば学外のものも入力していただいていこうということになっています。

実際に作成されたデータですが、NIIのデータベースに蓄積されるだけではあれですので、NACSIS-CATにOPACがあるように大学側にもこのメタデータを一括で取り込む、また選択的に取り込むということで、大学側で主題に特化したメタデータのデータベースとか自分の大学のポータル機能こういったものに役立てていただきたいと考えております。共同分担と申しましたが、NACSIS-CATとは別に全く新たなデータベースとシステムということで、その作成を今始めているところです。

これは記述要素案ということで、NIIからニュースレターを発行しているのですが、次の号にこれが載る予定です。これは目録規則のようなもので、その対象のコンテンツが何であるか、Creatorが何であるか、どんなことをデータとして記録しておくかということを表にしたものです。これはご覧になると分かるかと思いますが、ダブリンコアにほぼ準拠しています。違うところはQualifierの部分でNII独自で拡張する部分がありえるかもしれない、現在これ、案ということですので、今後の検討で変更があるかもしれないのですが、こういった形でやっていこうと言うことになっています。実際の画面なんですけれどもWebのインターフェースで置き場所はNIIなんですが、各大学から使っていただこうということになっています。左側の方に記述要素をいう表でご覧いただいた記述要素タイトルですとかCreatorですとかが列記してありまして、右の方へ入力していただくことになっております。

特徴といいますか、構築システムの中身なんですが、一般的なWEBのブラウザで動きます。多言語対応と言いますか多文字対応と言いますか、用いるのはUCSの文字セットでUTF8のコードを使っております。このシステム使うときにNACSIS-CATと同じ利用者番号で利用可能、メーカの方も多いかと思いますのではっきり言えば、CATPのサーバで認証をおこなっております。中にCreatorというような項目に、その情報の作成者の名前等を入れる局面があるんですが、こういった時には著者名典拠ファイル、NACSIS-CATの著者名典拠ファイルを参照して入力することができるようにしてあります。今のが、おおよそ現在の状態なんですが、こういった記述要素ですとかシステムの試作版を使いまして現在試行運用を行っております。これは昨年の検討からお手伝いいただいている全国のいくつかの大学、また国立国会図書館の方にご協力いただいて、この6月から試行運用ということで実際の入力を始めています。大学の方では担当者の方が一人でお手伝いしてくれているところもありますし、また、館内でプロジェクトを組んで試行運用への協力にあたってくださっているところもあります。試行運用、今、全国の16機関で行っているところなんですが、まだまだ他の大学のみなさんにもぜひ参加していただきたいと考えております。やることは実際のメタデータを作成してみて、対象の選定基準ですとか、記述要素にご意見いただく、またシステムについてご意見いただくといった内容です。試行運用なんですが始まったばかりでして、6月にはいりまして2週間試運転をいたしまして、6月の17日ちょうど10日くらい前から実際の入力を始めてもらいました。実は、大学側で大規模な、と言いますか、既にメタデータを大量に持っている大学がありますので、そちらへデータをくださいといって、最初東大のIRI、東京工業大学の理工学系ネットワークリソース、北海道大学の北方資料データベースという中からこの開拓史云々という目録、この3つをいただいて最初に11,388件のレコードを一括して用意しました。それから10日間経って今現在150くらい増えているところです。この試行運用ということを9月くらいまで続けて10月になったら実際に本稼働というスケジュールで考えております。10月にいきなり始めますと言うのもあれですので、メタデータデータベース共同構築事業、この事業の説明会を事前にになりますか、稼働して直後になりますかちょっと分からないのですが全国の5ヶ所で説明会を持ちたいと思っております。説明会では事業の概要のご説明や、システムのデモに加えて実際にメタデータを作るときの基準ですとか規則、こういったものの講習会に近いような説明会を考えております。一つ、一番下のところなんですが、大学側にポータル機能、その大学の玄関口になるようなサイトを設けてはどうかという動きもありますので、それとの関係をちょっとお話をしたいと思います。

駆け足の現状紹介になってしまいましたが、メタデータデータベースの共同構築ということで、以上のような考えで以上のように進んでおります。先ほども申し上げましたとおり、試行運用というものをしております。ぜひ多くの大学のみなさまに参加していただきたいと思っております。担当、文字情報係というところが担当しておりますので、試行運用の参加、また、内容の問い合わせはこちらで常に受け付けておりますのでどうぞよろしくお願いいたします。

7. 質疑応答

[酒井]慶應大学の酒井でございます。ILL Managerについて木下さんから発表がありましたけど、それについての補足と、NIIさんに意見と質問があります。まずILLシステムについてなんですが、2年ほど前に私も一度アメリカのILLシステムについて、多少調べたことがありました。その時に分かったのが、やはりアメリカの図書館はコンソーシアム単位で動いているなということです。今ILL Managerというのは新しいシステムですので、それを使っている所はちょっと分からないのですが、これまで出てきた、例えばILLiadという名前のVirginia Techで開発されて、今OCLCさんが販売されてると思うのですけど、そのようなものですとか、他にもいくつか主なものがあるようですが、全てコンソーシアム単位でいれて、まずOCLCやRLINといった大きな、彼らは既にlegacy systemと言っているようですけれども、そういったシステムにぶつける前にコンソーシアム内のOPACを横断検索して先に優先的にリクエストを送るという動きをしているように思いました。私も実際にILLiadを使っていましたけれども、評価としては、他のシステムを使ったことはございませんけれども、よく動いていると思います。ただ画面例を見ていますと先ほどのILL Manager、さすがに後から出てきたということで非常にsophisticateされているなという気がします。多分私の感覚ではILLiadの対抗馬なのかなと思っております。

それから、もう一つ、NIIさんに意見と質問なんですが、このメタデータデータベースというプロジェクトの名前が非常に分かりにくいのじゃないかなと思います。つまりWebリソースのカタログなので、そのような名称に変更していただけると非常に分かりやすいんじゃないかなということを常々思っておりますのでご検討ください。つまりメタデータというのはカタログなので、メタデータデータベースというと、メタデータのエレメントセットのデータベースのように、感覚として受け取られてしまうのではないかなというおそれがあります。

それから質問が2つございます。このプロジェクトは、まさに日本版のCORCだと思うのですが、なぜCORCに参加する、あるいはCORCの日本版を作らずに、新たにこのプロジェクトで新しいシステムを作られようとしたのかということと、もう一つDublin Coreのメタデータジェネレーターがたくさんあるかと思うんですが、それらを日本語化して使うというようなことはご検討なさっていますでしょうか。

[杉田]まず質問の前の名前なんですけれども、省内でもこの名前はやめろと、早く愛称をつけろということを言われてまして、大学の情報資源のデータベースであるという内容をもりこんだ愛称を現在考えているところです。公開向けにはデータベースそのものの名前はまだ全然白紙なんですけれども、 公開向けには大学の学術情報資源のメタ情報のデータベースであることを踏まえた、何らかの愛称で公開されることになるかと思います。

質問の2件なんですが、CORCに参加せずになぜ独自に作るのかということなんですけれども、これについては私、まだ日が浅いもので、何か事情があるようでしたら、ちょっと、これ持ち帰って周りの人に事情があるかどうか聞いてみたいと思います。もう一つメタデータジェネレーターですが、既存の物を日本語にするという方向になるかどうかは分かりませんが、10月の本稼働に向けてはご用意したいと考えております。

[入江]Zについてお願いが二つ運営委員からあります。一つはターゲットリストを作ってあげていきたいと思っています。ホームページにターゲットリストのアンケートをあげてますので記述をお願いしたいと思ってます。そこをメンテナンスしていきたいと思ってますので事務局のメーリングリストになげてください。もう一つは、今回出しています推奨ポリシーの論議をこれからメーリングリストでさせていただこうと思っています。そのとりまとめを次回にやろうと思ってますのでご協力お願いいたします。問題点は先ほども申し上げましたとおり、分散したデータベースを横断して検索する時の仕組みで、きちんと検索結果を返したいと、その時の標準を作っていきたいという、もともとのスタイルがありますので、そこで論議をしていきたいと思ってます。ある程度まとまってきたらRLGとかZIGに出したり、LCとのMARCの話を進めていきたいと思っています。まず国内での合意が必要だと思っています。それでは今回初めての参加者がいらっしゃいまて、ちょっと一言ずついただきたいと思います。

[中原]同志社大学の中原と申します。上田に代わりまして、今回から参加させていただくことになりました。よろしくお願いします。入社してまず教務畑、教務から教務システムということで、その当時、今もそうなんですけれども、メインフレームでCOBOLで開発せよということでその仕事に数年間携わりまして、実際COBOLのコーディングなんかもやっておりました。その後、情報メディア課というところで、主に遠隔講義ですとか、ストリーミングサーバそういったところのメンテナンス、図書館に関わるところではCD-ROMサーバのメンテナンスもちょろっとやってました。実際図書館に異動したのは2ヶ月程前でして、それまでは事務システムとかシステム周りのことをやってきたんですけれども、今回初めて図書館に来たということで、一から勉強しているところでございます。みなさまこれからもよろしくお願いいたします。

[李]私今回初めて参加させていただいたんですけれども、実際図書館システム自体はあんまり詳しくなくて、2年程前からシステムの一部を担当させていただいて、今日もまた分からない用語がいっぱい出てきましたけど、少しかじってるくらいの者なんですが、実は平和情報センターの沓沢さんからお誘いいただいた時によく分からないけど、いろんな方が集まって話をするということだったんで、私、名前から気づいた方もいらっしゃるかと思いますけれども、出身が韓国です。日本に来たのは13年くらい前なんですが、最初は日本語も分からない状態で来たんですけれども、今はほとんど問題なく通じるようになりました。図書館システム自体もそうなんですけれども、違う国の言葉を接したときのいろんな面白い部分もありましたので、特に検索系で文字をどういう風にまとめていくとか興味がありましたので参加させていただきました。今後もできれば、私、何にも役に立たないかと思うんですけれども、参加させていただけると、いろんな方とお話ができるだけでもいい経験になるのではないかと思います。よろしくお願いいたします。

[黒澤]日本で最強のライブラリー研究会ということで、確かに日本で図書館システムを系統立てて研究するということは、まぁ学情はやってきたと思うんですけれども、それぞれみんなバラバラでてきたのではと、ちょっと危惧してますので、このチームこそが最強で、一番日本の今後の図書館システムを牽引していくチームということになると私は信じています。うちも図書館システムを導入して長いのですが、実は次期図書館システムをどうすべきかというのは、ずっと悩んで悩んで悩んでいて、まだ結論が出ないでいます。どこに私たちの、ICUの図書館システムは行くべきかということをずっと検討し続けています。結局、これだ、というものはなかなかなくて、早く皆さんに提示して欲しいというのは非常に期待です。日本の図書館システムは今後どういう方向に行くのかということは、NIIさんも非常に斬新的なアイデアをどんどん出していただいているので、心強い限りなんですけれども、ほんとにどうなっていくのかな、ということを、何て言っていいのかな、まぁそういうことです。そういうことで、すごい期待をもって見ていますのでよろしくお願いいたします。

[横山]国立国語研究所の横山と申します。私は図書館システムとか図書館学については、全くの素人でございますけれども、日本の図書館には日本語の資源が大量に蓄積されているという観点から、日本語の情報を世界に提供しようということで、そういうことについての勉強をさせていただこうと思いまして、こちらに参加させていただいております。先ほどローマ字の話がありましたけれども、李さんのお国の韓国なんかですとローマ字はあまり勉強しませんよね、ハングルがだいたい表音文字の役割を果たしますので、韓国でいろいろ調査してみましたところ、ローマ字で検索するよりも、ハングルで検索したいという意見が圧倒的に多かったです。それはローマ字の揺れがどうのこうのという問題ではなくて、ローマ字入力にすごく時間がかかってしまう、でハングルだと皆さんブラインドタッチでどんどんいれられるということがあるようです。ですからハングルの入力をどうするかということを考えた時にキーボードではなくて、タッチパネルじゃないですけど、画面に日本語のひらがなに対応するようなハングルの一覧表を出して、それでクリックさせて入力をさせるとか、どうもそちらの方がヒット率が随分あがりそうだと、そういう感触を得ております。私がこちらに参加させていただいて一番感じていることは、日本の図書館の情報、大学に蓄積されている情報を海外に提供するといったときに、一体どこにマーケットを求めていくのかな、もっと対象を具体的にしぼり込んだ方がシステム構築がしやすいのかもしれないという風な気がします。日本語の情報を欲しがる人たちというのは、例えば日本語学習者の人たちではないかと、そうすると、日本語を海外で学んでいる人たちを念頭においてまずシステムを作っていくとか、何かそういうマーケットをしぼり込んで、そこに特化した形のデータベース構築というものから一般化していくということが必要なのかもしれないというようなことを感じております。全く素人でございますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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