3. InfoLib (インフォコム)
[鳥越]インフォコムの鳥越と申します。本日は「InfoLibにおけるZ39.50の活用事例」といたしまして、我々の方で販売させていただいておりますInfoLibという電子図書館パッケージのZ39.50の事例の方をご紹介させていただきたいと思います。
まずは我々の方で公開させていただいておりますポータルサイト、あとはOPACの事例といたしまして京都産業大学、横断検索サービスといたしまして聖路加看護大学様を紹介させていただきます。
まず最初に事例の前に私どものInfoLibパッケージというものを、その中でもGlobal FinderというZ39.50に関連するパッケージを簡単にご紹介させていただきたいと思います。こちらの絵が出ているのですが、電子図書館パッケージといたしまして、我々の方では今日こちらにいらっしゃっている業者さま方のような業務システムは持っておりませんで、メインで電子図書館パッケージというものを扱わさせていただいております。真ん中にOpen Textというふうに書いてあるんですが、こちらの全文検索エンジンを中核といたしまして、メタデータの検索ツールでありますInfoLib-META、メタデータの構築作成をサポートしますEDIT、あと下にありますZ39.50のGlobal Finder、ユーザ管理でありますInfoLib-USER、InfoLib-BOOKというものがあるのですが、これは全文情報、白書情報などを公開する形になっています。その中で本日はGlobal Finderの方をご紹介させていただくのですが、こちらの基本機能といたしましてはZ39.50ターゲットとHTTP to Z39.50 Gateway、あともう一つZ39.50 Gatewayというのがあるのですが、これはZ39.50からZ39.50へのゲートウェイする機能です。各機能をもう少し詳しく紹介していきますと、まずZ39.50ターゲットに関しましてはこちらは全文検索エンジン、OpenText用のターゲットになっております。OpenTextの方はXML形式のデータを検索対象といたしますのでXMLの形式のデータをご用意していただければ、どんなものでもZ39.50で公開可能というパッケージです。サービスとしては基本的なInit、Search、 Present、エレメント・セットがBとF、アトリビュート・セットがBib-1、レコード・シンタックスがSUTRS、GRS-1、XMLに対応しております。ここでUS-MARCというのが書いてないのですが、XMLの方からスタイルシートで変換してMARCを作ることができるのですが、非常に複雑なために今抜かしております。文字エンコードUTF8とEUC-JP、こちらの方もOpenTextは文字エンコードに依存しない検索が可能ですので基本的に文字コードの混在さえなければ、ほとんどすべての文字エンコードに対応できると思っております。あとQueryTypeがType-1 Queryです。HTTP to Z39.50 Gatewayなんですが、こちらWebブラウザよりターゲットを利用できる機能です。こちらのRecordSyntaxでもXMLが入っています。XMLで返戻されたものに関しましては、NAMESPACE等判断しましてスタイルシートをかけて表示することができます。HTMLとかに変換することができます。UTF8に対応しておりまして、セッション管理、マルチターゲット、検索履歴をサポートしております。検索履歴に関しましてはターゲットの方でNamed Result setに対応しているターゲットのみのサポートとなっております。次に基本機能の最後のZ39.50 Gateway機能になるのですが、これは複数のZ39.50ターゲットをあたかも一つのターゲットにしようという機能です。Z39.50 Gatewayは外から見ると普通のターゲットのように見えるのですが、内部で複数のZ39.50ターゲットを検索しまして結果を統合して利用者の方に返すことができます。これはどういったことに使うかと言いますと各ジャンル毎にターゲットをまとめたりとかできるかと思っています。こちらの日本の地図が出てきたのですが、InfoLibとGlobalFinderの導入実績、これはInfoLib、Global Finder、とInfoLib+Global Finderで色分けがしてあるのですが、お手元の資料では白黒で見にくいかもしれませんが国内ではこういった実績がございます。
次に事例の方に入らせていただきまして、我々の方でご提供させていただいておりますポータルサイトということでご紹介させていただきます。こちらのサイトですがGlobal Finder.NETということで1999年の終わりくらいに公開させていただきまして、Z39.50の利用できるサイトです。こちらの機能はGlobal Finderをそのまま起動しただけで、あとは各種情報、Z39.50に関する情報ですとか、利用者からのターゲット登録受付などをやってます。実際ターゲット登録の依頼というのは、ほとんど来たことがないのですが今後そういうものが増えてきたらいいなと考えております。こちらの左側がヒット件数表示画面で右側が一覧表示画面です。一覧表示から詳細表示ができまして、あと右側に検索履歴が出ているのですが、検索履歴同士のAnd Or Notですとか検索履歴に追加しての検索ができるようになっております。
次にOPACの公開事例と言うことで、京都産業大学様のZ39.50ターゲットにつきましてご紹介させていただきます。こちらのターゲットなんですが、2000年よりサービスの方を始めさせていただきまして、我々の方でも初めてOPACの方をやらせていただいた案件となっております。京産大さまの約60万件の書誌情報を提供させていただいておりまして、こちらは日本電子計算さまのLINUS/NCと連携しております。Global Finder自体はもう既にこの時点でLINUS/NCのオプション機能として納品をしていただいておりましたので、もともと京産大様で運用されているLINUS/NCにそのまま乗っかって動いてしまったというパッケージでございます。このオプションに関しましては金沢工業大学様、秋田大学様、宇都宮大学様などで納品の方していただいております。あとターゲットの仕様に関しましては、基本的なターゲットになっております。レコードシンタックスがSUTRSになっているのですが、当時こういった研究会というところもなかったので一応自由フォーマットで返すようになっております。あと文字エンコードについてもEUC-JPでご提供させていただいております。先ほど公開系の事例をご紹介させていただいたのですが、次にZ39.50を使った横断検索の利用例ということで、東京の聖路加看護大学様の事例をご紹介させていただきたいと思います。こちらの方、かなりユニークなサービスの方を提供されておりまして、基本的に海外有料データベースの方をかなり契約の方はされているのですが、実際はOPACとインターフェースが違うと、インターフェースが難しいといったところで、利用の数が少ないということで、こういった案件をさせていただきました。こちらは自館のOPAC、海外有料データベースですとか、あとはLCですとかと横断的に検索可能なサービスを内部に提供しております。その次がこちらの変わっている点ですが、検索結果に関しましてはすべてDublin Coreにマッピングして、しかもマージして一覧表示をしています。これは追加できるデータベースがOPACに限らないということで、じゃあどういう形のメタデータフォーマットにしましょうかというところで、我々の方でDublin Coreをご提案させていただきました。このシステムの構築の際には、やはりマッピングというものが必要になりまして、聖路加様自館のOPACとDublin Coreへのマッピングがまず必要と、それから海外データベースのUS-MARC形式とDublin Coreへのマッピングこれが必要になってきます。この辺はかなり時間をかけてお打ち合わせをさせていただきまして基本的にすべて設定ファイルで変えられるようになってしまったのですが、最初の設定をどうするかかなり時間をかけてやらせていただきました。こちらはZ39.50に対応したDBであればどんなものでも追加できると、しかし今のところUS-MARCに対応したDBのみという形になっております。こちらのシステムに関しましては我々のパッケージでありますInfoLib-META、Dublin Coreメタデータの検索ツールなんですが、これとGlobal Finderを使いまして、あとは業務システムは紀伊國屋様のLibVisionと連携させていただいております。画面の方紹介していきたいのですが、かわいらしい感じの検索画面になっておりまして、データベースの選択ができるところで、「るかこ+」とありまして、これが聖路加様のOPACです。その下にNACSIS WebcatですとかCINAHL、LC Online Catalogとデータベースが並んでおります。検索キーワードをいれていただいて検索ができるのですが、ここで検索対象項目がすべてDublin Coreとなっております。こちらの方見ていただければお分かりの通りに、Z39.50とかは一切、表に出さない形で簡単に利用できるインターフェースにさせていただいております。
次に検索結果なんですが、画面が左右に表示されておりまして、同じ結果が左右に出ております。データベースでの絞り込みですとか、あと右下の方にPDF等でも一次情報コンテンツなども登録可能というふうになっているのですが、もともとこちらのInfoLib-METAがメタデータの公開ツールになっておりますのでDublin Coreのメタデータプラス一次情報をサポートしております。OPACも登録されているのですが、一次情報があるデータも登録可能ということになっております。ヒット件数の方が、今「システム」で検索して19万件となっているのですが、やはり右の方に検索したデータベースが4つ出ております。左上の方がDublin Coreの詳細表示になりまして右下がMARC形式での表示、マッピングしてますので元の形式に切り替えて表示することもできます。このシステムでの効果といたしましては、まず一括検索での作業効率の向上、あと検索結果をDublin Coreという同じ形で比較することができますのでそういったメリットもあります。ジャーナルや記事索引等を利用できることを知らないユーザー様にも簡単に利用ができるということになっています。図書館様の方としましては、利用者に対するDB教育作業が一つで済むというところです。あとはDB追加コストが削減されたと、データベースを追加するときにはZ39.50のデータベースをあげればいいということになりますので、我々のパッケージであればXMLでデータを用意していただければここにどんどんデータベースを追加していくことができます。
以上で事例報告を終わらせていただきます。
第2部 質疑応答
[酒井]慶應大学の酒井でございます。聖路加の事例がありましたけど、あれで横断検索した結果をユーザの方はどうやって利用しているかということに興味があるのですが、もしご存知でしたらお知らせください。LCのOPACの結果とCINAHLの論文の結果が一緒に表示されていて、最後ユーザーの方はその原文に到達したいのだと思うのですけど、そのリストが出てきたときに、例えばプリントをして図書館員にポンと預けてこれが欲しいんですと言えばそういうサービスをしてくれるのかというのが疑問なんですが。
[鳥越]すみません。実際の運用のところに関しては、そこまでお伺いしてないのが現状です。先ほどおっしゃったように、LCとCINAHLと一緒に検索してどうするのかということはあるかと思うのですが、インターフェースの統一ということで、データベースを選択することでいろいろな使い方があるというところにメリットがあると思います。
[杉山]コンパックの杉山と申します。先ほどのGlobal Finder のご紹介のところでHTTP to Z39.50 Gatewayというのがあるというお話でしたが、セッション管理をしているというご説明があったんですが、Webでどういう風なセッション管理をされているのかなと思いまして。
[鳥越]今でしたらJAVAのサーブレットのセッション管理とかあるかと思うのですが、これ作ったのが1999年頃ということで全部Cで書いてます。このセッション管理に関しましてはサーバ側でセッションファンデーションを起動いたしまして、全部セッションIDを毎回クライアントの方に返すという形をとってセッション管理をしています。
[長田]京都産業大学の長田と申します。今回初めて出席させていただきまして、お世話になります。今のインフォコムさん、日本電子計算のお世話になってシステムを組んでますけれども、今のZ39.50を使ってということですが、通常利用者にとってはあんまり意識しないで単一のOPACでしか使ってませんので意識していません。スピードの方は他ときっちりとは比較してないので分かりませんが、通常どおりスムーズに検索してますが、今の聖路加の事例の話なんですが、電子ジャーナルとか雑誌記事索引とリンクして一括検索されているというお話なんですけれども、雑誌記事索引にしろ電子ジャーナルにしろ聖路加の大学の方が蓄積されてそれを一括検索されているのか、単にWeb上の雑誌記事索引を検索されているのか、もとのデータベースとはどういう形で保存されているのか。
[鳥越]実際ですね、有料データベース、海外のデータベースの検索に関しましては、直接海外の有料データベースのZ39.50ターゲットを検索しております。各データベースはWebでの検索とZ39.50の口を持っているものがかなり多いのです。ですからそこにZ39.50のプロトコルで検索を行っているという形になっています。実際、当初は内部にCD-ROMサーバを置きましてCD-ROMサーバの中にZ39.50ターゲットを立ち上げて、内部で検索しようというお話があったのですが、そのサーバーが故障しまして、じゃあ直接行こうということになったのですが、思った以上にレスポンスもよかったので、ではこれで行けるだろうということで直接海外に行っております。