今回の特集は「電子化情報への取り組み」と題して6編の論稿を集めました。これらは,図書館資料として急速に増加しつつあり,世間で商品として存在している電子媒体の情報・情報源を,研究・学習・医療活動のためにいかに使いやすい形で提供するかという問題をめぐって書かれています。記録媒体が紙であった時代から電子媒体との共存時代に入り,図書館は新たな課題と真剣に取り組み始めたことを,これらの論稿は示しています。
世間で入手できる電子化情報の組織化だけでなく,情報を自ら電子化することにいかに取り組むかもメディアセンターにとっての大きな課題です。和漢古書目録やドイツ語雑誌改題のプロジェクト,eKAMO(イーカモ)と遠隔授業システムについての論稿は,情報電子化への取り組みという観点でもとらえることができます。
また本号には,資料取寄せサービスを改善し,受入資料とその書誌データを迅速にかつ質の向上を図りながら提供し,開館時間延長と日曜開館に挑戦し,生涯教育の観点から大学教育活動に参加し,図書館職員の専門性確立を目指すことについて等の諸論稿が集められています。メディアセンターが常にこのような努力を重ねていることをお読み取りいただければ幸いです。
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