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MediaNet≫No.11 2004≫メディア教材の変遷
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ナンバー11、2004年 目次へリンク 2004年10月1日発行
ティールーム
メディア教材の変遷
鎌倉 光宏(かまくら みつひろ)
看護医療学部助教授
大学病院感染症クリニック
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 医学部の学生の時からメディアセンター(当時は図書館)には人一倍お世話になってきた。VHSも未だ開発されていない時代で,AV教材と言えそうな物は16ミリのフィルムとソノシート付きの解説書くらいであった。医学部最終学年の時,心音や心電図を教科書よりもさらに感覚的に捉えたいと思い,教材を探したところ北里記念医学図書館の地下に16ミリフィルムのシリーズがあることを知り,ポリクリ実習の合間に映写機ともどもお借りして地下の小部屋に何度も足を運んだ。16ミリフィルムはなかなかの難物で,同じ場面や音を繰り返して見聞きしているとフィルムが切れてしまい,繋がなければならない。そのたびに担当の職員の方を煩わせたが,嫌な顔をせず何度も対応してくださったことを今でもよく覚えている。そのうちに接着剤,修復装置一式を傍らに置いて,その都度自分で修理するようになった。苦労はしたが,こうして身につけた知識は今でも忘れることは無い。
 教員になってからは,講義でどのようにAV機器を活用するのが良いか常に考えるようになった。現在でも,演習問題などはハードコピーで配った方が良いと考えているが,教科書や黒板では伝えにくい内容も多々ある。看護医療学部,医学部,大学院医学研究科でかなり多くの科目を担当しているが,例えば「環境論」では,地球温暖化現象,オゾン層破壊,酸性雨,廃棄物処理などについてはビデオ教材が大いに力を発揮する。現象を判りやすく説明したイラスト,障害を受けた地域の映像などは訴えるものが大きい。この科目を担当することが予想されたので看護医療学部準開設備室の時にお願いして,メディアセンターに関連の内容のVHSを揃えて頂き,現在に至るまで大いに活用している。ただ,この種の教材を作成するのは作成者側にも多大の負担があるようで,なかなか更新されず,新しいものが少ない。従って,現象の原理などはビデオを見せ,統計資料は最新のものを配布するようにしている。医学部の衛生学の講義では,我が国の公害史上極めて重要な水俣病(メチル水銀による慢性中毒,四肢の感覚障害,小脳運動失調などを主徴とする)の16ミリフィルムを高額だったが教室で購入し,後にそれをVHS化した記憶がある。また,看護医療学部の「身体の構造・機能と生体防御」という解剖学,生理学,感染症学,免疫学などを合わせた必修科目では,学部のメディアセンターに備えられた臓器・機能別に細かく分かれた50巻を超える短時間のビデオを組み合わせて使うことが多い。先ず,このビデオで対象としている臓器の解剖と機能に触れ,次に配布資料で補足しながら教科書を詳細に読み込ませ,最後に国家試験問題を含めた演習問題を行う。学生は講義中,息を抜くことができずにきついと思うが,重要な部分が繰り返されることにより身につく方法の一つだと考えている。また同学部必修科目「データサイエンス1」では,データ解析,衛生統計・疫学等の内容に加え,湘南藤沢メディアセンターの方に多大な御協力を頂き,データの検索と活用について各種データベースの検索法を1コマ,著書・雑誌・新聞記事の検索法を1コマ,パソコンルームで約60人の学生を対象に2回ずつ御講義頂いている。学期末に提出を求めているデータ解析のレポート作成に役立つ内容だが,この講義の本当の価値が判るのは卒業後ではないかと思っている。
 最近は媒体としてDVDのみで発売される教材も増えてきた。教室でドライブの付いたパソコンを使って供覧することができるようになってはいるが画質や操作など,未だVHSの方が使いやすいところもある。医学・看護学の教育では,長い時間をかけ実物に触れ学習してゆくことが一つの理想型ではあるが,対象が人体材料の場合自ずから制限がある。表層から少しずつ人体を局所解剖して行くような良くできたDVDも発売されているが,個人で購入するには高額に過ぎ今後の低価格化を期待したいところである。
 冒頭で自分の学生時代の拙い経験を述べたが,どのような時代にも慶應義塾は学内でいろいろな形の自習の場を与え続けて来てくれたと思う。あとは個人の意欲と努力にかかっていることを,今後の自戒を含め,塾生諸君に最後に強調したいと思う。
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