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MediaNet≫No.11 2004≫図書館Webサービスの現状と今後の展開
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ナンバー11、2004年 目次へリンク 2004年10月1日発行
 
図書館Webサービスの現状と今後の展開
田中 真紀(たなか まさき)
メディアセンター本部
吉井 由希子(よしい ゆきこ)
理工学メディアセンター
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1. はじめに
 図書館サービスを効率的に提供するために,ホームページ(以下,HP)の存在はいまや欠かせないものとなっている。利用案内や広報,データベース・電子ジャーナルの提供だけでなく,最近では,デジタル化された資料・画像情報の公開,オンラインリクエストサービス等,HP特有のサービスはさらに増え,図書館サービスにおいて,HPの果たす役割はますます大きくなった。図書館においてもHPの運用は重要な業務の一つであるが,その維持,運用,開発にはかなりの労力がかかり,予算,人手,技術面において必ずしも十分とはいえないと考えられる。そこで,メディアセンターのHP運用の現状・問題点調査と,他大学図書館のHP参照・アンケート調査を行い,より効率的な運用方法と,質の高いWebサービスを提供するための手段を提案したい。

2. 慶應義塾大学図書館HPの現状
 現在(2004年7月),慶應義塾大学では各地区のメディアセンターごとにHPが公開されており,それぞれ担当者が割り当てられている。田中はメディアセンター本部と三田メディアセンター,吉井は理工学メディアセンターの担当者の一員としてHPの維持,運用,開発を行っている。HPに携わり特に大変と思われる点は,Web上で提供されるデータベース・電子ジャーナルのコンテンツの増加,変動,情報の多様化により,HPへの掲載内容の管理が煩雑化していることである。機能の追加や変更による更新はかなり頻繁であり,情報掲載量も増加をたどる一方である。そのため,情報をアクセスしやすいように配備するための構成デザインセンス,視覚で分かりやすくするためのグラフィックデザインセンスが要求される。また,情報検索補助を行うツールや,オンラインリクエスト等で利用されるCGI等の動的コンテンツの技術も要求されるが,担当者全員がそれらの専門知識を持っている訳ではない。これらを踏まえて問題点の整理を行い調査する。

3. 慶應義塾大学図書館HPの問題点
 HPを運用する上で抱えている主な問題点を以下に挙げる。
 ・コンピュータに強い人材が少ない。
 ・デザインに強い人材が少ない。
 ・担当者の異動に伴うリスク。
 ・電子化サービスの多様化に伴う負担。
 ・情報掲載量の増加に伴う負担。
 ・情報の共有化不足。
 HPの担当者は皆,他の図書館業務を兼務しており,専属の担当者が存在するわけではない。更新作業については,パターン化された作業ではさほど労力を使うわけではないが,リニューアル時には技術不足等により,圧倒的に人数と労力が足りなくなることが多い。コンテンツについては,各地区でそれぞれの利用者向けに作成されており,簡単に統一を図れる状態ではないが,内容が共通しており,共有化が行える部分も多い。担当者の異動により,HPの維持・運用に障害が出てしまうこともあり得る。

4. 問題点の調査
 前章に挙げた問題点について,他大学図書館HPの状況を調査するため,国内・海外大学図書館HPの参照調査と,国内大学図書館に対するアンケート調査を実施した。(2003年11月)
(1)国内大学図書館HPの参照調査
 国内大学696大学を調査対象とし,図書館HPを探し出した。図書館HPを所有していたのは625大学で,89.08%の大学がHPを所有していることになる。しかし,サイトの内部を確認すると,大学HPの一部として図書館の概要を説明しているだけのHPや,更新日付が止まったままになっているHPも多数存在する。その一方で,データベース・電子ジャーナルの紹介,リンク集,貴重書のデジタル化,展示情報公開などを行い,活動的なHPを展開している大学も多い。また,ユニークな情報を公開しているところもある。構成やコンテンツ量が充実したHPを所有するのは,国立大学や一部の私立大学の図書館である。
 図書館HPに連絡先としてメールアドレスを掲示しているところは,446大学(71.36%)であり,それを元にアンケート調査を実施した。
(2)国内大学図書館のアンケート調査
 アンケートはWeb上で回答する形とし,119の大学から回答を得た。
 まずHPの担当者であるが,1人または2人との回答が72.73%で,少人数体制でHPが運用されていることが分かる(表1)。必要な知識の習得については,68.94%が担当者個人で勉強しているという回答であることから,HPの運用はコンピュータに強い図書館スタッフ個人の努力によって支えられている部分が大きいのではないかと考えられる。人員数に対する質問では,ほぼ十分であるとの回答が大半ではあったが,現状維持の運用だけではなく,機能の追加やリニューアルを意識した場合には不足であるとのコメントが多数寄せられた。担当者の増員については,増員を希望するという回答が37.1%であった。
 コンテンツの公開状況は,お知らせ,利用案内,リンク集は9割以上の大学が,データベース・電子ジャーナルリストは半数以上の大学が公開済みである。オンラインリクエストは公開予定のある大学まで入れると半数を超える。現在は公開していないが今後公開を希望するものとして回答数が多かったのは,データベース・レファレンスツール利用ガイド,資料の電子化サービスであった。しかし一方で,資料の電子化については不要との回答も12.88%あった(表2)。
 HP作成の際に重視している点については,ユーザビリティ,メンテナンスの容易性との回答が多かった。今後重視していきたい点として回答が多かったのは,デザイン,情報量,セキュリティであった(表3)。理想のHP作成の為に必要とされる点として,これらに関する技術力を挙げている大学が半数以上あり(表4),今後HPを発展させるために,技術力が求められていることが分かる。
(3)海外大学図書館HPの参照調査
 海外大学図書館はアイビーリーグ8大学にターゲットを絞り,運用,構成,デザイン,サービスについて参照調査を行った。これらの大学はいずれも複数の部門図書館を持っており,それぞれの図書館ごとにHPを持つが,大学図書館全体としてのHPも公開されていて,共通する情報の掲載,サービスはそこで行われていた。デザインの統一は,図書館だけでなく大学全体のHPにいえることだが,カラーの統一や各ページのどこかに大学のロゴを置くといった工夫により統一感を出していた。トップページは,メニューを充実させており,2階層までを表示して階層を浅くしたり,OPACやE-Resource簡易検索画面を設置したりすることで,トップページから主要なサービスに直接たどり着けるように工夫されていた。また初心者のためにFAQを充実させ,そこから主要なサービスにたどり着けるようにしていた。
 図書館の様々なサービスをWeb上で受けられるオンラインリクエストやマイライブラリーを,8大学ともが何らかの形で取り入れていた。特にマイライブラリーは,認証を利用して個人向けの情報を提供するサービスで,借りている資料の確認,資料の取寄せ,取寄せ状況の確認,個人用の新着情報や雑誌コンテンツの入手などのサービスを受けられるというもので,国内大学図書館で行っているところはまだ少ない。
 資料のデジタル化も盛んに行われているようで,6大学がそのプロジェクトについてHPに掲載している。ハーバード大学の例では,Library Digital Initiative(LDI)プロジェクトが1998年から5ヵ年計画で始まり,図書館員と技術スタッフによるチームにより,特殊コレクションの電子化,データベース化が進められている。

5. 慶應義塾大学メディアセンターのHPにおける今後のサービス
 今後,HPをさらに発展させていくために,認証システム,インタラクティブ機能(マイライブラリー),動的ナビゲーションなど新たな機能を積極的に導入すべきだが,ただこれらの機能を追加するのではなく,利用者ニーズの調査,第三者の評価を行った上で,バランス良く取り入れることが望ましい。HPの構成やデザインを定期的に見直すことも必要である。質の高いHPを維持するためには,海外の先進的なHPをチェックするなど日々の努力も欠かせない。限られた人員の中でこれらを行うためには,スタッフ間での情報交換や意見交換により情報を共有化し,可能な部分についてはコンテンツを一元化するなどして,運営を効率化させる必要がある。外部研修会に参加したり,初心者スタッフのためにHTMLやCGIの内部研修会や勉強会の場を設けることでスタッフのスキルアップを図ったり,デザインや構成,動的コンテンツの作成など特に専門知識が必要とされる部分はアウトソーシングすることで,効率化を図ることができるかも知れない。

6. まとめ
 HP運用上の問題点を整理し,今後のWebサービスについて検討してきた。今後の新たなサービス展開と運用の効率化を実現させるためには,以下の2点について,メディアセンター内で環境整備を行う必要があると思われる。
 ・図書館HPの検討・相談を行うワーキンググループの設立
 ・図書館HP用の予算の確保
 これらを元に活動することで,情報の共有化とサービスの発展が望めるのではないであろうか。

図表
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表1
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