1. はじめに
図書館業務のIT化と共に日々の業務に忙殺されていたこの数年間,1988年4月に発足したメディアセンター全体の研修会は,いつの間にか消滅してしまっていた。三田,医学,日吉など,各地区メディアセンターでは独自に研修を続けているが,メディアセンター全体として,専門性を内外に認識してもらうために,研究発表や論文発表をする場を設ける必要があることは共通認識である。この度,2003年4月に全塾研修委員会を再発足させ,その活動の一環として2003年11月に「第1回メディアセンター研究発表会」を企画・運営するに至ったので,このことについて報告する。
2. 企画・運営
できるだけ多くの職員が参加できるように,三田祭期間中の2003年11月21日の午後1時から4時30分とし,三田キャンパス北館4階会議室で開催した。内容は,2部構成で,第1部は各委員会報告の部とし,5つの委員会主査による年間報告とした。第2部は研究発表の部とし,事例報告,業務提案などの個人または共同での研究発表とした。研究発表は,共通テーマなどは設けずに,これまであまり発表する機会を持たなかった若手を中心に公募した。その結果,9件の応募があり,時間配分や地区のバランスなどを考慮して検討した結果,5件に絞り込むこととなった。発表者とテーマは以下のとおりである。
<各委員会報告の部>
・全塾パブリックサービス担当者会議 風間 茂彦
同ワーキンググループ 田邊 稔
・全塾図書担当者会議 木藤 るい
目録ワーキンググループ 片桐 裕恵
・全塾雑誌担当者会議 山田 雅子
・全塾データベース委員会 市古みどり
・全塾リソースシェアリング委員会 長友千代美
<研究発表の部>
・岡本聖,三宅薫子(三田)「日本石炭産業関連資料コレクションのデジタル化と目録データベース―石炭プロジェクトの活動報告―」
・川崎直子(信濃町)「慶應義塾大学医学部研究業績データベースのについて―大学図書館の研究支援活動の一環として―」
・詫摩典子(湘南藤沢),園原麻里(信濃町)「『人事交流』に想う―メディアセンターへ異動してきて―」
・田中真紀(本部),吉井由紀子(理工学)「図書館Webサービスの現状と今後の展開」
・山田摩耶,小澤ゆかり(日吉)「日吉メディアセンターの企画・展示の変遷」
発表会にはメディアセンター以外の職員の参加も可能とし,本学職員用ホームページKeio Information Farmに広報を出した。当日の運営は三田メディアセンターマルチメディア担当の協力を得て,配布資料作成,看板類作成,司会,受付,機器操作,録音・写真などの役割を研修委員メンバーが分担して行った。参加者は研究発表会83名,懇親会70名となり多少の時間延長はあったが,順調に進行した。
3. 開催結果
開催後はメールによるアンケート調査を行った。調査結果を分析すると,研究会を開催したことについては肯定的な意見がほとんどであった。改善要求として多かったものとしては,会場,時間配分といった比較的修正しやすい事項に関するものが多かった。また,研究発表の一部は本誌その他の雑誌への論文発表を推薦することとし,さらに本部ホームページに記録を公開した。
4. おわりに
第2回メディアセンター研究発表会は,三田祭期間中の2004年11月22日午後1時30分〜4時30分に開催することが決定した。会場は三田キャンパス北館ホールとし,内容は,昨年と同様の各委員会の年間報告,研究発表の2部構成とした。研究発表は公募中である。全地区のメディアセンター職員が一同に会する機会として今後も継続させたい。
|