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MediaNet≫No.11 2004≫企業等派遣研修に参加して
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ナンバー11、2004年 目次へリンク 2004年10月1日発行
 
企業等派遣研修に参加して
新保 佳子(しんぼ かこ)
理工学メディアセンター
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 人事部主催企業等派遣研修制度により,2003年11月5日〜27日までの3週間強,八重洲ブックセンター東京本店において研修の機会をいただいた。研修内容は以下の通りである。
 1)仕入れ部:発注・商品納入・検品・売り場への商品割り振り・返品など。
 2)文庫・新書売場および自然科学書売り場:レジ・接客・商品陳列・補充・注文品決定など。
 3)レファレンスコーナー:店内案内や書籍を求める顧客の質問に答える業務を中心に幅広い業務。
 八重洲ブックセンターはその設立当初から「接客サービス」「品揃え」「商品知識」の3点を重要視し,他社との差別化に臨んできた。これらはそれぞれ図書館での「接客サービス」「蔵書編成」「資料知識」に重なる。書店と図書館とは,書籍(資料)とそれを求める人との仲立ちの役割を担っていることから共通する部分もあるが,小売業としての書店と研究・教育機関中の一組織である大学図書館という点から見るとその違いも大きい。数々の相違点の中から,研修を通して印象に残った点を取り上げて述べることにする。
 書店員は,図書館の利用者よりも遥かに幅広い顧客層に対応しなければならない。顧客の年齢,職業,バックグラウンドは多岐に渡り,ニーズもそれぞれ異なる。その多種多様な顧客各々に対し,書店員は,短時間で彼らの状況やニーズを把握し,的確な対応をすることが求められている。
 書店員としての接客用語は新鮮だった。
 “いらっしゃいませ”
 “ありがとうございました。またご利用下さいませ。”
 これらの言葉には,顧客が自分の店を「選択」し利用してくれたことへの感謝の気持ちが表れている。このように,顧客一人一人が満足し,再度来店してくれることを目指すサービスが常に意識されていた。
 大学図書館での利用者の多くはその大学に所属する学生・教職員であり,書店と比べ利用者の属性は狭い。また,リピーターが多いことも特徴である。このため,仮に利用者が選択の余地がなく利用しているとしても,図書館員側には意識されにくく,問題点も発見しにくいといった危険性がある。
 しかしながら,相手のニーズを掴み的確なサービスを提供し,必要であれば相手が面に表さない部分にまで想像力を駆使して対応する,この点では書店も図書館も同じである。利用者の属性が比較的狭いのならば,利用者のニーズを深く理解することが可能である。また,利用者一人一人のニーズを大切にすることで,より利用者全体のニーズが見え,より良い全体サービスも展開していくことができる。
 一方で,サービスとは,接客や設備のみではなく小さな気配りからも工夫できることを実感した。例えば,書店での開店前の商品へのハタキかけ。これは商品の見栄えを保ち,顧客に気持ちよく利用してもらうためである。残念ながら図書館では,書架の片隅で劣化し埃をかぶった資料が存在することは否めないだろう。利用者にとって快適な図書館とは何か,利用者側にたって考えると,見えてくるものがまだあるはずである。
 利用者が積極的に利用する図書館,まさに「選択」してもらえる図書館を目指す意識を持って業務に取り組んでいく必要がある。商品である書店の書籍と異なり,図書館の資料は半永久的に蓄積され幾年にも渡って多くの利用者に利用される。現在の,そして将来の利用者のために,利用者が図書館に望むことは何かを常に考えて行動したいと思う。
 最後に,貴重な経験をさせていただき,ご支援下さった多くの方々にこの場を借りてお礼申し上げる。
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