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ナンバー12、2005年 目次へリンク 2005年10月1日発行
 
医学用語の勉強法
―シソーラス研究会・勉強会の紹介―
園原 麻里(そのはら まり)
信濃町メディアセンター
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 カウンターや電子リソース活用講座等での利用者からの質問に備えるために,医学用語の勉強を続けている。ここでは,勉強の場として活用している「シソーラス研究会」について紹介したい。

1.シソーラス研究会入会の動機
 医学用語は専門性が高く,独学が難しいと感じたことと,諸先輩から医学用語に限らず,サービスの姿勢や他大学の動向を教わる機会が欲しかったこともあり,異動直後の2003年の夏に参加希望を事務局に提出した。

2.シソーラス研究会について
 シソーラス研究会は関東近郊の医学図書館に勤める図書館員を中心に有志で構成されており,会長の板橋瑞夫氏(元・昭和大学),事務局の阿部信一氏(東京慈恵会医科大学),世話人の堀江幸司氏(東京女子医科大学)が中心に会を盛り上げている。主な活動内容は,1〜2ヶ月に1度の「研究会」や「勉強会」,医学情報の基礎知識やMeSH(MeSH:Medical Subject Headings)関連文献紹介等のホームページのコンテンツ充実,毎年NLM(National Library of Medicine)が発表するMeSH新語の日本語訳出作業となっている。
 「研究会」は,各自が雑誌や学会で発表した研究内容の報告を行う比較的ライトな内容の会である。
 「勉強会」では,主に医学用語シソーラスのMeSHを用いて医学用語を勉強する。初心者が医学用語の基礎知識を学ぶ場として,板橋氏と阿部氏が中心となって企画されたものであり,筆者も開催者兼参加者として関わっている。

3.勉強会の概要
 勉強会は,2003年12月から2005年6月の間に計8回行い,人体に関するMeSHをひととおり終えたところである。スケジュールはMeSHのAカテゴリー(解剖)を参考に組み,筋骨格系,消化器系,神経系といった部位ごとに分けて開催している。1回(約3時間)につき1部位を対象にして行うオムニバス形式で,1回ごとに完結するので,参加者は興味がある回だけ出席することが可能である。

4.準備
 まず,勉強会の広報を当会ホームページや,医学・医療情報従事者用メーリングリストを用いて行った。参加者が決まり次第,予習用資料を送付している。事前に資料を送付することで,2つの効果が期待できる。ひとつは知識が定着し,理解度が深まること。そしてもうひとつは,講座の内容を予め知ることで,初めてでも安心して受講できることである。当日は,資料や投影スライド,参加費のおつり等を用意する他,よりインタラクティブに勉強会が進められるように,机をロの字型に配置している。

5.本番
 最初に全員が自己紹介を行う。お互いの所属や業務を知り,打ち解け,質問をしやすい雰囲気を作るためである。参加者を10名程度の少人数に限っているのも,アットホームな雰囲気で勉強会を進めるためである。
 5分ほどの簡単な説明の後,ビデオで該当箇所を確認する。ビデオは医学部生が解剖学授業で用いる教材であり,本物の解剖シーンが流れるため,心の準備が必要な面も多々あるが,各部位の働きが視覚的に整理され,非常に分かりやすい。その後,ビデオの参照箇所を配布資料で読み返し知識を定着させていく。配布資料は,医学部生用解剖学テキストと,逐語訳をつけたツリー構造表示のMeSHのプリントである。
 用語についての説明手順は,まず自然語としての医学用語を挙げ,その後MeSHと対応させていく。MeSHだけでなく,自然語についても学ぶことは,実際の検索において決して無駄なことではない。利用者が代行調査を依頼する際,自らの疑問を自然語で表現することが多いからである。利用者の言葉を適切なMeSHに結びつけられるスキルは優れたサービスを提供する上で非常に重要である。
 一通り説明が終わった後,小テストを行う。小問ごとに受講者を指名して答えてもらうが,知識がよく身につくため,受講者にも好評である。

6.フォローアップ
 具体的な提案や改善点については,後日配布するアンケートにて受講者から意見を募っている。視聴覚資料の導入や,勉強会に占めるMeSHの割合の変更は,受講者からの意見を参考にして,改善した点である。

7.番外編
 日頃の東京での勉強会を飛び出し,先日,愛知県で行われた医学情報サービス研究大会にて,『シソ研一日体験:医学用語,看護学用語の学び方を学ぶ』と題し,模擬勉強会を行った。45分という短い時間,また大教室という慣れない環境での開催であったが,無事終えることができた。同時開催のプログラムがあった中で,大会全体参加者270名中60名強の方が参加した。かねてから遠方の図書館員から勉強会に参加したいという声があり,今回の模擬勉強会で手応えをつかんだ形である。
 以上,シソーラス研究会・勉強会について述べてみたが,開催者兼受講者と言いながら,その実,受講するのに精一杯で,上記のような企画・立案について,板橋氏・阿部氏に全面的にお世話になった。この場を借りて御礼を申し上げたい。
 足掛け2年にわたって続けてきた勉強会も一段落し,次回の新たな企画に向け,事務局が動きだしている。その際には,また何らかの形で参加し,勉強できればと思う。

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