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ナンバー12、2005年 目次へリンク 2005年10月1日発行
 
看護医療学図書室の活動報告
三谷 三恵子(みたに みえこ)
湘南藤沢メディアセンター
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1.はじめに
 2005年3月看護医療学部は,初めての卒業生を送り出し,4月には,大学院健康マネジメント研究科(修士課程)が開設された。学部1学年の定員が100名,大学院が40名で現在約440名の学生が在籍している。学部3年生は信濃町キャンパスにおいて病態学と臨床看護学を学び,慶應義塾大学病院で実習を行っている。湘南藤沢キャンパスでは,主に学部1,2,4年生と大学院学生が学習・研究活動を行っている。授業,研究内容において学生は,2つのキャンパスを行き来しながらメディアセンターを利用している。
 本稿では筆者が看護医療学図書室担当に着任した2003年6月以降行ったサービスについて報告する。

2.閲覧サービス

2.1 AV資料の館外貸出開始
 DVD,VHSの利用は多く,利用者からの館外貸出の要望に応えるため,2003年8月より貸出しを開始した。サービスを始めるにあたり所蔵しているタイトル1点ごとに著作権者への許諾申請処理を行った。現在426点(所蔵タイトルの63%)が館外貸出対象となっている。信濃町所属者の要望で信濃町メディアセンターからのみ取寄せができる。利用者から「AV資料利用の機会が増えた」という声があった。

2.2 ブックポスト設置
 教員からの要望で2004年1月にブックポストを図書室前に設置した。ブックポストに返却できる資料は,看護医療学図書室所蔵の返却期限日を過ぎていない図書と雑誌で,他センター蔵書やAV資料は返却できない。表1が,2005年5月までの教員,学生の投函冊数である。教員の利用がほとんどであるが最近は学生も利用している。なお,表の「不可」は返却不可資料の処理冊数である。不可資料が投函されていた場合は返却を受け付けたうえで注意を促すメールを送っている。

2.3 看護医療学部所属者発表論文の掲載
 2004年1月より学部所属教員の発表論文を医中誌WebやJDream等のデータベースで検索し,図書室の掲示版に書誌事項を掲示している。所蔵資料の場合は1ページ目のコピーを添付している。学生が立ち止まり抄録を読み,原著論文を閲覧している姿をよく見かける。教員の研究テーマを知る手段として利用しているようだ。

2.4 開館時間延長
 2004年4月より平日の開館時間を1時間延長し21時までとした。学部完成年度を迎え,4年生の卒業論文や国家試験の勉強を行ううえで平日の開館時間が20時では早いという利用者からの要望を受け開始した。2004年1年間の20時から21時の1時間の入室者数は499名であった。これには20時以前からの入室者も含まれているが,延長の効果が現れていると考えている。

2.5 貸出制限冊数を無制限に
 貸出冊数制限については,開設時学部学生5冊,大学院学生10冊,教職員35冊であったのを,2003年2月にそれぞれ7冊,15冊,50冊にした。さらに,看護医療学部所属者が併用することの多い信濃町メディアセンター,湘南藤沢メディアセンターが貸出冊数の上限を設けていないこともあり,2004年10月から当図書室においても同様とした。サービスを開始するに当たって,テスト,レポート提出時期に利用が集中する資料を指定図書としてもらえるよう教員に協力をお願いした。
 グラフ1が2003年5月から2005年3月までの月毎の貸出冊数と延滞督促冊数と人数である。督促作業は,毎週月曜日にすべての人を対象に2日以上の延滞者に対してメールで行っている。貸出冊数を無制限にした直後の督促人数は一時的に増加したが,現在は例年同様に落ち着いている。教員の協力のおかげで大きな混乱もなく行えていると考えている。

2.6 電話による貸出期間更新受付開始
 貸出制限冊数の無制限と同時に学部3年生以上に限って電話による更新受付を開始した。これは信濃町メディアセンターですでに行っているサービスであり,3年次の1年間信濃町メディアセンターを利用し湘南藤沢キャンパスに戻ってきた4年生からの要望で開始した。5か月間で52回の依頼があった。

2.7 ホームページリニューアル
 2005年4月看護医療学図書室のWebサイトのトップページをリニューアルし,見やすく,使いやすくした。主な追加・変更点は以下のとおりである。

  • コンテンツを画面左側に置いた。
  • フロアーマップ上で図書室内の様子を画像で見られるようにした。

3.洋図書と電子ブック
 洋図書の購入については,2003年12月に,Nursing Outlookに発表されたBrandon/Hill Listを利用し,教員に図書室に購入すべき資料を推薦してもらった。7名の教員から86タイトルの購入希望があり購入した。現在看護医療学図書室ではBrandon/Hill Listの約68%を所蔵している。Brandon/Hill Listの発行が中止になったため,今年度は別の方法を模索中である。
 湘南藤沢キャンパスと信濃町キャンパスに分かれて研究している看護医療学部の学生・教員にとって全塾キャンパスから24時間利用でき,情報を入手できるeBookは利用要求が高いことから,OCLC(Online Computer Library Center)が提供するeBookサービスNetLibraryを2005年4月より導入した。約6,000タイトルのうち看護医療・心理学・医療経済・スポーツマネジメント分野の229タイトルを契約している。

4.学外者への図書貸出サービス開始
 2005年4月より地域貢献の第1歩として図書室の利用対象者を塾員や看護医療学関係者に広げ,図書の貸出サービスを始めた。利用対象者は,1)看護医療学部(厚生女子学院・看護短期大学含む)・医学部・健康マネジメント研究科の卒業・修了生,三四会員,2)実習施設関係者,3)看護医療関係者およびそれに準じる方で,高校生を除く18歳以上の藤沢市在勤,在住者となっている。2),3)の方については,登録料500円が必要である。貸出冊数は,看護医療学図書室所蔵の和・洋図書6冊を上限とし,貸出期間は内部利用者と同じく和書2週間,洋書1か月である。サービスを開始してから3か月間の登録者数は,8名であった。今後登録者が増えると内部者に何らかの影響があるかもしれないが,もうしばらく様子を見ていきたい。

5.おわりに
 2005年3月,看護医療学部初の卒業生が看護師・保健師・助産師国家試験において全国平均を超える90%(助産師は100%)の合格率を出したのは図書室担当としても嬉しいニュースだった。今後の新たな課題は大学院学生からの専門的でより高度な要求に応えていくことができる環境作りである。看護医療学図書室は,オープン時より利用者と一緒にそのあるべき形を考え築いてきた。今後も変わらず利用者の視点に立ち,小さい図書室の特徴を生かしながら,限られたスペース,予算を有効活用し,利用者が快適に研究活動ができるようにサポートしていきたいと思う。

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表1
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