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ナンバー13、2006年 目次へリンク 2006年10月1日発行
巻頭言
理工学メディアセンター所長に就任して
佐野 昭(さの あきら)
理工学メディアセンター所長
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 理工学メディアセンターでは,ここ2,3年の間に冊子体から電子ジャーナルへの移行を急速に進め,サービスの形態を大きく変えつつある。理工学部の教員になって以来,メディアセンターのユーザとして,そのサービスを水や空気と同じように享受してきたが,昨年10月理工学メディアセンター所長に就任して,その裏ではセンターの有能な職員の方々が日頃からサービス改善に日々努力をされていることを目の当たりにしている。理工学部の教員や学生にとって,常に進展する科学技術の最新情報を幅広く迅速に検索したり,専門分野の基礎を学習するためには,メディアセンターのサービスは不可欠であることはいうまでもないが,限られた予算内で最善の効果を上げる努力は大変なことである。
 最近の理工学のディシプリンを取り巻く環境の変化や理工学部・大学院の組織改革に伴う課題も多い。理工学の学問分野がこれまでのディシプリンの壁を越えて,細分化と融合化を繰り返しながらより拡大していく傾向が非常に顕著になっている。このことは,新しい融合・境界分野に関する電子ジャーナルの新刊を急速に促し,そのパッケージのスクラップなき拡大と購入経費の上昇につながっている。このような電子ジャーナル化による経費増に対しては,冊子体の同時購入を中止することにより対応してきたが,それも限界に来ている。このような電子化の波は,既に教員・学生の利用形態やメディアセンターのサービスに様々な影響を与えている。一つはデータベースとの共用による膨大な情報検索の大幅な効率化であり,これは研究者にとって大きなメリットである。さらに,電子化に対応した図書館サービスの変化や多様化をもたらしており,増大の一途であった書架面積の縮小が可能となり,IT端末を増やしバックナンバーを含めた電子ジャーナルやデータベースへのアクセスサービスを拡大することが可能となっている。このようなサービスはセンター外部のIT端末でも受けられるが,センター内の資料を併用する場合にはIT端末のブースの拡充が不可欠であり,新設したブースはなお不足状態である。また理工学部の教育においては学生に基礎を十分に学習させることが重要であることから,発展し続ける理工学の専門書の拡充は必須の課題である。電子ジャーナルの購入負担は,蔵書充実のための予算を大きく削減せざるを得ない状況をもたらしている。
 電子ジャーナル化は,各地区に分かれている本塾のメディアセンターのリアルタイムサービスのあり方にも大きな影響を与えると思われる。理工学と医学の融合分野は,医用工学はもとより,材料分野,バイオ分野,医薬分野など急速に拡大しており,信濃町メディアセンターの電子ジャーナルへのアクセスやデータベースの全文検索が望まれる。また,日吉キャンパスに新設予定の新大学院の中には理工学と関連の深い研究科が設置される予定である。日吉と理工学部のメディアセンターの間にも同様なデータベースのリアルタイムサービスの提供と蔵書の充実が急務となろう。
 メディアセンターは,教育研究のための学術情報提供のサービスを使命の一つとしているが,同時に理工学部の教員や学生の研究成果の発信基地でもあり,それら成果を様々な形態で蓄積することは歴史的資料としても重要である。個々の研究成果は個別にはアクセス可能であるが,理工学部としてどのような研究分野でどのような先駆的な成果が得られてきたかを外部に向けて発信できるサービスが望まれる。先端科学技術研究センターなどとの協力のもとで,これらの学術情報をわかりやすく整理し蓄積し,容易に学内外からアクセスできるサービスが提供できるとよいと思っている。
 理工学の分野はこれからも新領域や融合領域が拡大し発展していくと思われるが,これに伴うレファレンスサービスの対応も課題であろう。図書館蔵書分類法や職員の人手では追いつかなくなっており,高度に知的な検索機能をもったレファレンスサービスシステムの開発が必要になるのではないかと思う。
 理工学メディアセンターは,他にも種々のサービスを提供しているが,ユーザのニーズをモニターしつつサービス向上に務めていきたい。

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