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ナンバー14、2007年 目次へリンク 2007年10月1日発行
スタッフルーム
北京での過ぎ越しかた
田口 勝三(たぐち かつみ)
理工学メディアセンター
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 趣味の書道から派生して文字・書の源流を訪ねる旅が文革後の1979年から続いている。カミさんに呆れられながら,また友人にはきっと中国にハオ姑娘でもいるのだと,うがった観方をされながら年2回ほどの旅が続いている。
 中国の旅と言っても最近はもっぱら北京を基点にしているので,北京滞在時の話をしてみよう。
 今は来年のオリンピックを前に市内の道路拡幅工事やそれに伴う市民の立ち退き取り壊し建築ラッシュで,1年後道路に立つとまったくどこにいるのか分からなくなるほどの変わりよう。これも土地が「国有」の成せる業,スピード振りなのである。北京の庶民の生活の場である中庭のある四合院は一部の保存地域を除き壊され,明清時代の老朽化したとはいえ風情ある建物が無くなっていくのは寂しいかぎりだ。
 胡同(フートン)と呼ばれる路地は北京滞在時の家常菜(家庭料理店),朝食で利用する大事な場所の一つだ。衛生面で多少気を使うが,湯豆腐,豆乳,かゆ(小豆・黒米・あわ等),肉包子,ワンタン,鶏蛋(醤油煮の卵),油条(揚げパン)等加熱した食べ物で,店ごとに違った味が楽しめ,1人でほぼ100円以内と安い。北京での昼夕食は,ジャジャ麺,羊肉シャブシャブ,牛焼肉,ダック,肉餅,シュウマイ,餃子,牛肉麺,刀削麺,きのこ鍋,各種鍋,海鮮料理をレストランで適度にとっている。
 北京での目的の一つに書の文房具のほか拓本,影印本の入手がある。琉璃廠に何回も通うことになるが,10年前から比べれば数も少なく,むしろ日本の古書店の方が安価な場合も多いが,さがしている本に出会えれば満足この上なしだ。
 清末から戦前の影印本の中に酸性劣化の本が多く,帰宅後の学書のための劣化対策にかなり時間を取られている。例えば間紙が酸性紙の場合,すべてを抜き取り手漉き和紙か画仙紙に交換し,書棚から抜き取りやすくまた痛み予防に模造紙で外表紙を付け,絹糸で和綴じをしている。
 ちょうど10年前,文物出版社の友人の提案でその当時国家文物局等が使用していた,かつて青年であった頃の毛沢東が北京大学の図書館管理員でいたという「紅楼」の会議室で,日本の友人を講師に「影印本的保護和保存」座談会,と銘打った実演講習会を手伝ったことがあった。参加者は歴史博物館の史樹青,呂長生,蒋文光,故宮博物院の王連起,施安昌,朱賽虹,翁連渓,北京図書館善本部の賈双喜,周崇潤,北京大学図書館善本部の胡海帆,湯燕,人民美術出版社の王靖憲,谷谿,中国書店装訂修補社の董書承,黄培華,文物出版社の蘇士じゅ氏等中国を代表する研究者技術者28名で,裏打ちした用紙が酸性紙であったため,それを弱アルカリ水を張ったバットの中にいれ見事剥がした時は,いっせいに歓声と拍手を受けた。中国には補修対象が余りに膨大にあるため影印本にまで手をつけられないとのことであったが,今夏聴くところによると,北京大学等で影印本の蒐集が始まり,重視するようになってきたことは,大いに歓迎するところである。
 土日に北京にいるときは,潘家園旧貨市場へ早朝から出掛ける。現在作られている家具,雑貨,焼物,貴金属,石印材,工芸品。高級なものはすくないが生活必需品,みやげ物を買うことができる。新しい廉価な茶壷はここでたくさん買っている。また骨董品も売られている。本物もあるが贋物が多いから自分の日頃の眼の確かさが試される。天津や北京郊外の農民が地中から出土した土器や焼物を地面に並べて売っていて,良い物もあったが,今は未収穫のときが多い。
 また,北京の買い物の一つに中国茶がある。友人宅でジャスミン茶の冷茶をいただいてから,日常的に飲むようになった。前門・大柵欄に清朝頃から営業している老字号が数多くあり,最近は「張一元茶荘」で烏龍茶,ジャスミン茶をシール包装で手土産にしている。中国茶は幅広く奥深い。プーアル茶,緑茶,一葉茶,雪茶など。ティルームいや「スタッフルーム」で香りの好い中国茶をのみませんか。

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