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ナンバー14、2007年 目次へリンク 2007年10月1日発行
スタッフルーム
子どもと本,図書館とレポートの日々
柴田 由紀子(しばた ゆきこ)
信濃町メディアセンター
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 中1,小4,小1の息子がいる。最近は特に活字離れや国語力の低下が問題とされて,読書の大切さについてよく耳にする。息子たちの通う小学校でも,低学年には週に1時間図書の時間が組み込まれ,朝の授業前にお母さんたちによる読み聞かせの時間があり,読書週間には朝読書の時間が設けられ,となかなか熱心である。
 さてそんな熱心な読書活動,学校の図書室はというと,読書,読書と熱心に言っている割に,これはどうなの,という状況。司書の先生もいそうになく,図書は古くてぼろぼろだったり,「○○マンガひみつシリーズ」など,手っ取り早くてシリーズになっている知識,勉強ものが多く,もっと子どもの想像力をかきたてるような面白い本もたくさんあるのに,と甚だ残念,というより半ばあきらめ気味であった。
 ところが,なんと小学校の図書室にも図書管理システムが導入されるという。システムが導入されるということは,まず図書にバーコードを貼って,遡及入力をする必要があるということである。が,パソコンをお配りするので,入力は学校でお願いします,ということらしい。結局忙しい先生方ができるわけはないので,父兄のボランティアでなんとかしようという話である。先生曰く,「まず,廃棄するものを選んでから作業を始めます」とのこと。思わず苦笑い…。そうだろう,そうだろう,相当廃棄するものがありそうだ。書誌データはN図書サービスのデータを利用して取り込むので難しい作業ではありません,パソコンの入力が得意な方,お手伝いお願いします,とおっしゃっていた。パソコン入力どころか,この作業自体大得意分野だよ,こんなところでこんな話を聞くとは思わなかった,と,妙に新鮮だったが,システム導入するお金があったら中身をなんとかしてほしかったなあと思わずにはいられなかった。この機会に図書室の蔵書をじっくり見てみたい気もする。廃棄するのはいいが図書は補充されるのか,図書購入予算はどうなっているのか,などと疑問が沸いてきた。お手伝いしてみるか。ともあれ,今後は小学校の図書室に要注目となった。
 一方の中学校は中高一貫校で,比較的新しく建てられた中高生のための図書館がある。さらに同じ敷地内にある大学の図書館も中高生も自由に使えるという,なかなか恵まれた環境にある。ちょっと見学したところ,中高生の図書館の蔵書は中高生向けの図書と先生方の研究図書(思いきり偏っている)を混ぜ合わせた少々不思議な蔵書構成となっていた。教員の貸出し期間はなんと1年間。長い…。
 さて,この中高と大学の図書館を使いこなして勉強しなさいよ,ということで,レポートの課題がしばしば出される。自分の原稿の〆切は過ぎているが,子どもの宿題の〆切は気になる。それなりに大変なレポートなども出て,大変だから期間が長く取ってあるのにその意味を本人は理解していない。結局ぎりぎりになってどうしよう,という。本人のためにならないとわかっていながら,資料探しを少々手伝ってしまう。ごめんなさい,先生。こういう時に威力を発揮するのがリモート・アクセス。新聞記事検索,雑誌記事索引などほんの少しお世話になった。感謝,感謝。最近はレポートの課題を出すと,インターネットの情報を切り貼りして出す生徒がいて困る,という話を先生から聞かされているので,それをそのまま実践してしまいそうな我が子ゆえ,何とか食い止めなければとこちらも意地である。6年後にはすばらしい情報リテラシーを身につけて卒業してほしいものだ。
 このように息子とレポートと格闘の日々であるが,先日長男がGoogle検索をしているのをふと覗いたら,「日本の太平洋岸にはなぜ火山が少ないのか」という長文で検索していた。その前にも同じようなことを二男がやっていて注意したばかりだったので,長男よ,お前もか,と呆れたが,それでも何かしら検索結果を返してくるGoogleを見て,変わりつつある検索の姿を身を持って感じたのであった。

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