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ナンバー14、2007年 目次へリンク 2007年10月1日発行
 
創立 150年記念貴重書展示会 予告
いま鮮やかに甦る明治―ボン浮世絵コレクション―
山田 摩耶(やまだ まや)
三田メディアセンター
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1 慶應義塾図書館貴重書展示会
 慶應義塾図書館貴重書展示会(以下,丸善展示)は,丸善本店に於いて,毎年1月末に慶應義塾図書館(以下,義塾図書館)所蔵の歴史的価値の高い貴重書をテーマごとに紹介する展示会で,昭和60年から現在まで既に20回続けて行われている。(参考文献1
 各展示会では,テーマに精通している研究者の方々を企画監修者として,展示資料の選定からキャプション,図録原稿,広報資料の作成など,三田メディアセンタースタッフや丸善株式会社スタッフと共に半年以上も前から準備される。
 会期中には,塾内外の研究者による,展示テーマに関連する講演会も催され,毎年約1500人から多いときで3000人以上を越す来場者に,義塾図書館所蔵の豊富な貴重書を広く公開している。会場が学外のギャラリーのため,普段三田メディアセンターの館内展示をご覧になれない方々にも,それぞれの時代の書誌学上の重要な資料であるとともに,美術的名品でもある義塾図書館所蔵の資料を発表する意味は大きい。

2 第21回慶應義塾図書館貴重書展示会
 第21回丸善展示は,慶應義塾創立150年を迎える2008年の年頭の記念事業として,広く一般の方々にも興味がもてるような華々しい展示会を企画している。
 企画監修者に河合正朝名誉教授をお迎えし,「いま鮮やかに甦る明治―ボン浮世絵コレクション―」をテーマに,George S. Bonn氏が蒐集した明治時代の浮世絵コレクション(参考文献2)を中心に,浮世絵やボン氏の関連資料などを展示する。長く楽しんでいただくため,週末を2回含め,会期を今までの6日間から倍の12日間に広げた。ギャラリーは,浮世絵を展示するにあたり,光による作品の劣化を防ぐため,照度を落とした展示環境をササキ企画に依頼し特別に設営する。あわせて,丸善本店3階日経セミナールームにおいて,明治期の世相についての講演会も予定している。

3 George S. Bonn氏と明治期浮世絵
 George S. Bonn氏(1913〜2003)は,オハイオ州立大学,シカゴ大学で学位取得後,ラトガース大学図書館学教員,ニューヨーク公共図書館課長,ハワイ大学やデリー大学,イリノイ大学教員などを歴任した。義塾には図書館学科創設後の昭和29年から30年に訪問教授として来塾経験があり,その間やその後の来日の度に蒐集したと思われる浮世絵860余点が後に義塾図書館に寄贈された。義塾所蔵の浮世絵のコレクションとして,他に,江戸期の作品から集められている高橋誠一郎浮世絵コレクションがあるが,ボン浮世絵コレクションは主に明治期の浮世絵が多く,時代を反映した開化絵をはじめ,明治期の浮世絵師を代表する小林清親などの作品も数多く含まれる。
 江戸時代に庶民文化の中で生まれた浮世絵は,時代の風俗や風景を描いて,それを視覚的に人々に伝えるというメディアとしての特性をもっていたため,幕末から明治にかけての歴史上大きな変動の時期においても,その役割を担い,文明開化による西洋からの珍しい文物や異国人,汽車や建物などを,遠近法や陰影法,顔料など,西洋から新たに取り入れた絵画技術や材料を用いていち早く表現されてきた。特に開化絵には,それまで使われてきた日本の伝統色の紅や朱に代わり,舶来から輸入された鮮やかな色の赤の化学染料が多用され,文明開化の華やかな様子が色彩面でも表現されている。
 今回の丸善展示は,今もなお色鮮やかに残されている,明治期の象徴的な開化絵などを中心に,明治議会の錦絵,錦絵新聞,江戸から変わらず引き継がれた伝統的な構図の浮世絵なども含めて,当時の絵師たちが見て感じて表現した明治時代の特徴的な浮世絵を展示する。
 現在,再開発で新たな文化空間の顔が次々と紹介されている丸の内だが,この度の丸善展示を通じて,かつて明治時代に同じ場で存在していた文明開化の風を少しでも感じていただければ幸いである。

参考文献
1)丸善展示の過去のテーマや,最近の展示会の主な出品資料や解説映像などが公開されている。
三田メディアセンター.“慶應義塾図書館貴重書展示会”.(オンライン),入手先<http://www.mita.lib.keio.ac.jp/archives/exhibit/
annual_exhibition>,(参照 2007-06-25).
2)Bonn氏蒐集の一部の錦絵についてデジタル画像で公開されている。
慶應義塾大学HUMIプロジェクト.“明治錦絵”.(オンライン),入手先<http://www.humi.keio.ac.jp/treasures/jp_prints/
nishikie/nishikie.html>,(参照 2007-06-25).

図表
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