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LCへの提案について
[酒井]慶應大学の酒井由紀子でございます。LCへの提案Z39.50推奨プロファイルと関連する目録標準の検討事項ということで発表させていただきます。まずこの発表の目的なんですけれども、本研究会で作成したZ39.50推奨プロファイルを日本語をハンドリングする図書館システムの標準の一つとしてLCを中心としたグローバルなコミュニティに提案してフィードバックを求めたいという行動の予定があったと思います。これについて、今回意義と目的についてWHYということで確認したいと思います。それから、具体的な方法、5W1Hの残りの4つのWとHですけれども、こちらを私の方から提案申し上げますので皆さんで議論していただきたいと思います。そして期待する結果と今後の展開についても確認したいと思います。まず、この行動についての意義と目的なんですけれども、グローバル標準を視野にいれて日本の標準について議論して推奨プロファイルを作ってきました。この作成した日本の標準というのを実際にグローバルに活用していただかないと意味がございません。そのために、実質的に世界標準を作成維持しているLC、議会図書館に発信しようということです。それから、その目的というのは存在を認知してもらうということがまず一つ、それから実際に具体的なフィードバックを受けて実際に使えるものかを確認すること、そして必要な改訂や残された問題解決の材料としたいと思います。最後には、使えるものとして世界及び国内へも広げていかなければなりませんので、その一助としたいと思っています。
具体的な方法なんですが、これから作業に取りかかって、2003年の2月くらいに具体的に提案をするということを目的にしたいと思います。誰がというと、このライブラリーシステム研究会からです。何をということですが、一つはこのライブラリーシステム研究会の目的と活動について、背景的な情報を提示しなければいけないと思います。具体的には2つあります。Z39.50の推奨プロファイルそのもの、そしてもう一つは目録標準に関する問題点というのが継続的に検討してきています。これについては、まだ最終的に結論を得ていないものもありますが、それもやはり、この時点で提示したいと思います。それぞれの問題についてフィードバックを要請するということです。このWHATの部分について具体的に確認いたします。まずライブラリーシステム研究会の活動と目的ですけれども、図書館システムのグローバル化に対応するために、システムライブラリアン、図書館システムベンダー、書誌ユーティリティや研究機関の有志によって研究会が組織されています。最初のプロダクトとして、日本におけるZ39.50のプロファイルについて論議して推奨プロファイルを作りました。先ほど申し上げましたように、関連する目録標準については継続検討中のものもあります。まず、推奨プロファイルについてですが、前回の研究会、及び前々回でも入江の方からお配りして説明いたしましたけれども、一つのものが出来ています。特徴としてはグローバルに利用できるインターフェースであることと、もう一つは国内でも普及可能であるという特徴があると思います。具体的には、グローバルという意味では文字コードはUTF8を使う、それからレコードフォーマットはMARC21のタイプ1に準拠する、分かち書きインデックスを持つことを前提としている、同様にローマ字インデックスを持つことを前提としている、というものです。国内では、国内インターフェースはMARC21の拡張によって対応が可能である、そしてNIIの提供するターゲットと調整可能である、ということで既にプロファイルができあがっていますので、それをそのままLCのZ39.50の部署へ提案するということでよろしいかと思います。
次に継続検討中のものについてですけれども、これはどちらかというと目録標準の問題になってきています。たとえば件名、これについては日本の図書館のプラクティスでは、もしかしたら言い方が悪いかもしれませんが、これまで軽視されてきています。一方、欧米のプラクティスでは適当なSubject Headingのついていないデータというものの評価は低いです。という認識までは我々はつかんでいるところだと思います。これに対してLCのSubject Headingを付けた方がいいのではないかという議論は見えてますけれども、全員のコンセンサスを得られたというところまでは至ってないかと思います。次にヨミのデータです。これは一般的にヨミのないデータがあります。例えば300、Physical Descriptionのところですが、これについてヨミを付けるかどうかといった細かいところまでは、まだ議論してないと思います。また非ローマ字のタグの持ち方があります。これは70年代にアメリカで始まった880というタグに非ローマ字だけを集めて記述するという手法を維持するかどうかということについて、まだ具体的に議論してないかと思います。これについては、この後に国内交換フォーマットということで丸善の佐藤さんからお話があるかと思います。ということで継続検討事項の中で目録標準の問題についてはZ39.50とは別の次元で国内外で議論が必要であるかと思います。ただ、何も方向性がないままに提示しても仕方がありませんので、ここで、ある程度議論して一定の方向性、たとえばLCSHを付けたらどうだろうか、というような方向性を示した上で、LCのMARCの窓口に投げてあげるのがいいのではないかと思います。それから、もう一つ継続検討事項として日本語の問題が大きいということを我々は確認しています。具体的には、ローマ字の標準がない、あるいは分かち書きの標準がないということです。ただ、これは図書館に限らず、国内唯一の標準がないということですので、一応の指針を示す必要があるかと思いますが、別の次元で、国内の議論を先行させる必要があるかと思いますので、ここで急にLCに提案ができるという段階ではないかと思います。そしてフィードバックの要請です。推奨プロファイルについてはグローバルな利用が可能かということの確認、目録標準の問題についてはグローバルな観点からプリフェランスがないかということのフィードバックを要請したいと思います。先ほど申し上げたように、日本語に特化した問題、ローマ字分かちについては国内の論議を優先させたいと思います。そして、どこにどのようにということですが、Z39.50についてはMaintenance AgencyがLCの中にございます。そしてそこで推奨プロファイルをリストにしています。そこに我々の作ったものをリストにしてください、ということを依頼すればよろしいかと思います。もう一つMARCのことですがMARCのフォーラム、メーリングリストがあります。こちらの方に目録標準についての問題点について一定の方向性を示した上で広くコメントを求めてはいかがでしょうか、ということが私の提案です。実は、このやり方というのはいくつかオプションがあります。まずZ39.50についてのオプションなんですが、プロファイルとしてリストしてもらうだけではなくて、さらにZIG、Z39.50 Implementors Group の推奨をもらうですとか、IRPと呼ばれる Internationally Registered Profile というところの承認をもらうという、一段階二段階上の段階もございます。今回はリストをするというところまでを一つの目標にしたいと思います。その他にRegister of Implementors ということで、実装している団体とか組織をリスト化するということを、LCのMaintenance Agencyでやっています。こちらの方では具体的に国内の実装した団体ができたところであげるですとか、これから作業しなければならないこともあるかと思いますので、今後の問題だと思っています。それからMARC21のことですが、LCの方に窓口が三通り用意されています。一つは先ほど申し上げましたメーリングリストに、まず投げてみるということが一つです。その他に、アドバイザリ委員会というのがあります。これはALAアメリカの図書館協会のMARBIと呼ばれる委員会ですとか、National Libraries、アメリカのナショナルライブラリーも入っています。カナダ、オーストラリアの国立図書館も入ってます。それから大規模なOCLCとかRLINといった書誌ユーティリティも入っています。こちらの方の委員会に提言をするという可能性もあります。もう一つがMARCの標準のオフィスへ直接提言をするということもあります。しかしながら、先ほど申し上げたように、我々でもまだ結論が得られていないということでもありますので、まずはMARCのフォーラムに投げてみてはどうかというのが私の提案です。
そして最後に、期待される結果と今後の展開です。LCを中心に研究会の活動とプロダクトが認知されるということが先決だと思ってます。実にLCというのは日本のことを知っているようで知りません。例えばMARCのメーリングリストで二年ほど前に日本のMARCの標準とは何なのかという質問に対して、JAPAN-MARCがあって、確かUS-MARCとのマッピングしたはずだという答えだったんですね。その時に問うてる人はNACSISのフォーマットがJAPAN-MARCのフォーマットなのかというような言い方だったんですけれども、それについて詳しく答えたのは私で、その他に日本人のポストは一件もございませんでした。
そしてフィードバックを受けて、Z39.50の標準の整備を進めると同時に国内での広報、実装を進めるということ、そして目録標準については継続検討事項については指針をまとめて国内及びグローバルコミュニティにもう一度提案をするということです。先ほどから申し上げているようにローマ字と分かちについては日本語の問題として別途検討する必要があると思っています。以上が私の提案と確認でございます。
[入江]付け足しではないのですが、慶應がRLGのメンバーになったことに伴いRLIN経由でZ39.50のテストをしないかという話がきています。ご報告したいと思います。NIIさん、Z39.50を立ち上げてどうですか。