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ナンバー16、2009年 目次へリンク 2009年9月30日発行
 
『慶應義塾図書館和漢貴重書目録』刊行によせて
松本 和子(まつもと かずこ)
三田メディアセンター課長
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 2009年3月1日『慶應義塾図書館和漢貴重書目録』を刊行した。目録では義塾図書館所蔵貴重書1,210点の書誌事項を国書・漢籍に分け,内閣文庫目録に基づいた独自分類順に配列している。さらに主要資料40点の図版解説を収録し,巻末には歌舞伎番付・狂言絵尽の内容細目リスト,書名著者名索引を付している。完成した目録は国内外の288の機関・図書館に発送され,好評をいただいている。
 この目録の刊行の発端は2000年に三田メディアセンター内部研修として行った「和装本研修」に遡る。「和装本研修」は斯道文庫の高橋智,佐々木孝浩両先生に講師をお願いし,国書と漢籍の目録について,講義と実習を通して約1年間実施された。参加者は当時三田メディアセンターレファレンスに勤務していた中堅職員の筒井利子,山中みどり,保坂睦の3名であった。研修終了後も半学半教の精神にのっとり,先生方のバックアップを受けながら研修受講者が講師となって他のスタッフ(新保佳子,吉田真希子)への研修を行い,三田メディアセンター内で和古書目録作成のできるスタッフの育成を行い,和古書目録整備の人的基盤が整い始めた。
 三田メディアセンター所蔵の和装本は当時OPACにデータが登録されず,冊子体目録か貴重書室が作成した簡単なエクセル表しか検索の手立てがない状態であった。指導いただいた先生方の強い希望もあり,こうした状況を改善するために2001年9月「和古書目録作成準備委員会」を立ち上げ,「目録作成マニュアル(国書編・漢籍編)(事務用)」を作成した。2002年2月には「慶應義塾図書館所蔵和古書目録作成委員会」がスタートし,所蔵する和古書約20,300冊,漢籍15,000冊について冊子体目録の刊行と図書館OPACへのデータ搭載をめざすことになった。委員会にはOPAC搭載を検討するためメディアセンター本部の目録担当,システム担当も参加した。前述の目録作成マニュアルをOPACへどのように反映させるかについては,目録担当の片桐裕恵が研究者との了解を取りつつ進めた。このあたりの経緯については,『MediaNet』10号をご覧いただきたい。(参考文献1
 冊子体刊行が事業化したことにより,貴書室のスタッフを中心に,他部署・他地区へ移動した研修参加者が兼務として,また院生や研究者のアルバイトを使って本格的に目録に取り組んだ。しかし35,000冊を超える国書・漢籍の目録作業は,必ず写刊年を判定して記述する等困難も多く,また出版予算の確保も年々厳しくなってきたため,冊子体刊行は慶應義塾創立150年に合わせ貴重書に限定した目録の刊行とする方向に目標を変更せざるをえなくなった。
 2008年3月「慶應義塾図書館所蔵和古書目録作成委員会」を「和漢古書目録刊行委員会」に改組,出版企画を練り,ようやく今回の刊行に至ったのであった。
 和装本研修が始まってから9年,関係した職員のほとんどは三田地区から異動してしまったが,貴重書室では和古書目録作成のノウハウを共有し,一定レベルの目録の作成が可能になっている。
 また作成したデータをもとに現在は次年度からスタートする新図書館システムへの搭載に向けて最終的な確認も進めている。
 最後にご協力いただいた先生,スタッフ関係者に深く感謝の意を表したい。

参考文献
1)高橋 智,筒井利子,片桐裕恵.“慶應義塾図書館所蔵和漢古書目録作成プロジェクト”.MediaNet.no.10, 2003, p.18-23.

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