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情報を収集する

情報を収集する

大学のレポートやプレゼンには資料の収集が欠かせませんが、手っ取り早く済ますためにやみくもにネット検索ばかりに頼ると、逆に遠回りになることがよくあります。低学年のうちに、効率的な学術資料の探し方を知っておくことは、質の高いレポートやプレゼンへの近道です。

所属大学によって資料探しのためのツールは異なりますが、ここでは、学術資料を探すための基本的な知識や考え方を解説します。

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図書を探す

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あるテーマについての情報を体系的に得たい時は図書が便利です。
図書を探す場所としては以下が挙げられます。

  図書検索システム
所属大学の図書館 大学図書館のOPAC(蔵書検索システム) 慶應義塾大学はKOSMOS、早稲田大学はWINEなど
他大学の図書館 横断検索:CiNii Books(サイニィブックス) ※慶應および早稲田の所蔵資料は収録されていない場合が多い
公共図書館 利用する公共図書館のOPAC 横断検索:カーリル
国立国会図書館(NDL) 国立国会図書館サーチ:国立国会図書館・都道府県立図書館・大学図書館・専門図書館等の蔵書の横断検索
書店 Amazon
書店のWebサイト

ブラウジング

レポートなどの下調べの段階では、図書館で目的の分野の書架に行き、実際に手にとってパラパラとめくりながら探すブラウジングという方法が効果的です。図書館の本には、その本の分野を表す番号が振られていて、その番号順に並んでいるため、内容の近い本が近くにあるはずです。キーワード検索では見つからないような本に出会えることが多くあります。

パラパラめくる時は、目次や前書きをざっと見ることで、内容をおおまかに把握することができます。

TIPS

日本の図書館では主に日本十進分類(NDC分類)を使って図書が分類されています。

日本十進分類(NDC分類)

日本十進分類法(NDC) 第2次区分表 (綱目表)

数字を小数点を含め何ケタ使って分類を細かくするかは図書館によって異なります。

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雑誌記事・論文を探す

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特定テーマに踏み込んだ調査や、最新の研究動向を調べたい時、あるいは自分が扱いたいテーマの先行研究を調査したい時など、雑誌記事や論文を探します。 雑誌記事・論文は膨大な数がありますので、データベースを使って探すのが効率的です。 最近はオンラインで読める記事や論文の割合が増えていますので、検索後にそのまま本文を読めることも多いです。

雑誌記事・論文を探せるデータベース

学術的な記事や論文を探せる代表的なツールとしては以下があります。

  • CiNii Research(国内)
  • Google Scholar(国内・海外)

ただし、上記からは一般公開されている論文・記事の本文にアクセスすることはできますが、所属大学の図書館が購読契約していることで読むことができる記事・論文も実際には多数あるため、取りこぼしがないよう注意する必要があります。 大学図書館では上記ツール以外に有料のデータベースを契約し、所属者が論文や記事を探したり本文を読んだりしやすい環境を整えています。 所属大学図書館の案内に従って、データベースを活用するようにしましょう。

TIPS

<慶應義塾大学所属者の方は>


KOSMOSの「論文・記事検索」で、国内外の論文・記事を探してアクセスできます。
また、慶應義塾大学データベースナビで、慶應で契約する様々なデータベースを探すことができます。
詳しくは「論文を探す」(慶應義塾大学リサーチナビ)のガイドを参照してください。

冊子体の雑誌

目的の記事・論文の本文をオンラインで読むことができない(一般公開されておらず、大学図書館で電子資料の購読契約もされていない)場合は、データベース検索で確認した書誌事項を頼りに、図書館で冊子体の雑誌を探します。

<書誌事項の例>

目的の資料がない時は

所属大学の図書館に目的の資料がない場合でも、あきらめずに図書館に相談しましょう。 図書館には、他の図書館と資料を相互利用できるILLサービス(Inter-Library Loan)という仕組みがあります。図書現物の貸借と、図書の一部や論文・記事の複写取寄せが著作権法の範囲内でできます。 雑誌は現物の取寄せができないため、所属館に依頼して、他大学などから欲しい論文・記事のコピーを取寄せてもらうことを検討しましょう。

芋づる式に探す

何か1つでもよい論文・記事に巡り合えたら、その参考文献欄も確認しましょう。その分野に精通した著者が選んだ先行研究や関連文献のリストのため、キーワード検索では見つからないような優れた文献を効率的に見つけることができます。参考文献から次々に文献を辿っていくことを芋づる式といいます。

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検索キーワードの立て方

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膨大な情報の中から目的のものを探し出すには、適したキーワードで検索することが不可欠です。 検索結果を見ながら、繰り返しキーワードを調整して試行錯誤をしましょう。 キーワードの調整には、以下のような点に留意します。

広い概念・狭い概念

検索結果が少ない時は、より広い概念のキーワードに調整し、逆に結果が多すぎる時は、より狭く具体的な概念のキーワードにします。

広い概念・狭い概念

類似・関連キーワードなど

別の表現や関連語、異表記がないかも考慮し、キーワードを選定します。

言い換え 照明 電灯 あかり ライト
類似 自動車 乗用車 電気自動車 四輪車
関連 SNS Facebook Twitter LINE Instagram
表記 まちづくり 町づくり 街づくり 街作り
シェイクスピア シェークスピア Shakespeare
省略 全日本空輸 全日空
All Nippon Airways ANA
単数・複数 child children

AND・OR・NOT検索

効率的なキーワード検索を行う方法として、AND・OR・NOT検索があります。 データベースによって、使用する文字や記号が異なるため、各データベースのヘルプ画面で確認する必要がありますが、一般的な使い方は以下の通りです。 AND/OR/NOTの文字は半角大文字で、前後にスペースを入れます。

AND検索の例



ANDは書かずにスペースでつなぐことが多い

両方のキーワードを含む

OR検索の例

「アメリカ OR 米国 OR USA OR 合衆国」のように類似キーワードを複数つないで使うことも多い

両方のキーワードを含む
両方またはどちらかのキーワードを含む

NOT検索の例

検索ノイズが多い場合に使うことが多い
Google検索の場合はNOTではなく「-」(ハイフン)の記号を用いる

最初のキーワードの結果から、
NOTの後のキーワードを除く

組み合わせた検索の例

AND・OR・NOTは組み合わせて使うことができます。 たとえばANDとORを組み合わせる場合は、以下のように、ORの式を半角カッコで囲います。


歴史 (イギリス OR 英国 OR イングランド)

※データベースによって、組み合わせの可否は異なります。詳細検索画面で掛け合わせができる場合もあります。

フレーズ検索

通常、「global warming」のような複数のキーワードで検索した場合、「global」と「warming」が離れた場所に存在しているものもヒットしてしまいます。連続した語として検索させたい場合は、以下のように“ ”(ダブルクォーテーション)で囲います。


“global warming”

日本語であっても、KOSMOSのように文字を分解して検索する仕組みのデータベースの場合はフレーズ検索を使うと便利です。たとえば、“東京都” の検索で「京都」がヒットしてしまうということを防ぐことができ、入れた単語と完全に一致するキーワードで検索ができます。

ワイルドカード検索

英単語の検索の場合は語尾変化が多いため、「child OR children OR childhood」のように毎回すべてをORでつなぐのは大変です。以下のような記号を使うことで、効率的に検索が可能です。

「?」:任意の1文字を指定 「wom?n」で検索→「woman」「women」などがヒット
「*」:任意の複数文字を指定 「human*」で検索→「humans」「humanity」などがヒット

ただし、用いる記号はデータベースによって異なりますので、各データベースのヘルプ画面で確認するようにしてください。

主題による検索

データベースによっては、詳細検索画面などに「主題」「サブジェクト」「件名」などの項目があり、その文献が扱うテーマ、主題による検索が可能です。 たとえば、「村上春樹」で項目を特定せずに検索すると、村上春樹が書いた著作と、村上春樹についての文献が混在してヒットしますが、主題として検索をすると、村上春樹についての文献に限定することができます。

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新聞・統計・法学資料を探す

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新聞記事

Google検索でヒットする記事のみをレポートで利用する方も多くいますが、オンライン公開されている無料の新聞記事はごく一部です。 大学図書館では、主要な新聞の過去記事を検索・閲覧できるデータベースを契約していて、所属者は利用することができます。また、様々な種類の紙媒体の新聞も購読・保存しています。

統計資料

統計資料の探し方は、「情報の種類と特徴」2-6「公的資料」を参照してください。

法学資料

法令、条例、判例、評釈、議会資料、法学文献などの探し方は、「法学部法律学科のためのリソースガイド(慶應義塾大学リサーチナビ)」を参照してください。

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